中国人旅行客が日本で電気炊飯器を爆買いしたことは、今なお記憶に新しい。しかし、中国のメーカーも電気炊飯器を製造しており、中国国内では非常に安価な電気炊飯器を買い求めることも可能だ。では中国人旅行客がわざわざ日本で日本メーカーの製品を爆買いしたのには、どういった理由があるのだろうか。

 中国メディアの太平洋電脳網は10日、日本メーカー同様に中国メーカーも製造しているが、販売している電気炊飯器を見るだけで「日本と中国の製造業の差と違い」を感じ取ることができると指摘する記事を掲載した。

 中国でもコメは広く食べられており、電気炊飯器は現代の中国の家庭においても必需品だと言える。記事は、「中国では電気炊飯器は安いものなら約数十元(数百円)で購入できるが、日本メーカーの電気炊飯器は中国で1000元以上(約1万7000円)もする」と指摘。なかには1万元(約17万円)を超えるような高級電気炊飯器もあると伝えた。

 しかし、中国メーカーの電気炊飯器のうち、最も売れ行きが良いのは低価格帯のものだという。日本のメーカーであれば高額なものでも売れるというのに、中国メーカーの製品は数百元を超えるとほとんど売れなくなると指摘した。

 一方、中国メーカーの製品と日本メーカーの高級品でそれぞれ炊いたご飯を食べ比べる実験が過去に行われた結果、調査対象者は「両者に明確な差を見いだすことができなかった」と紹介し、つまり電気炊飯器を製造するうえでは、日本と中国のメーカーに技術的な差はほとんどなく、炊き上がりの味にも消費者が認識できるほどの差異がほとんどないことがわかると主張した。

 だが記事は、日本と中国のメーカーの電気炊飯器の決定的な差があると指摘している。それは、「手作りの釜を採用するなど、高級化するための努力や、実用性や使いやすさを追求する姿勢」だ。中国人旅行客たちはこうした実用性や使いやすさを評価し、爆買いしたのであると論じた。

 中国製造業はこれまで価格優位で競争を勝ち抜いてきた。しかし、人件費の高騰などを背景に、価格競争力は低下しているという。中国も、「実用性や使いやすさを追求する」日本の製造業に見習うべき時期を迎えていると記事は指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:写真AC)