日本経営管理教育協会が見る中国 第484回--宮本邦夫

 2017年9月の初旬、2つのフォーラムに参加するために、仲間数人と1年ぶりに北京を訪問した。北京に着いて空を見上げると、見事な秋晴れであった。北京秋天とは、まさにこのことかと感動した。4日間滞在したのだが、途中空きの時間があったので、宿泊した街(北京のほぼ中心の東城区)を散歩したり、ホテル近くの大衆食堂に入って食事をするなどして、街の様子を知ることができた。以下は、街を歩いて目にしたことの報告である。

◇安くて便利で安全な地下鉄

 いつもなら北京の関係者が自動車で迎えに来てくれるのだが、夕方の北京は車の渋滞がひどいので、地下鉄で行く旨を連絡して、車の送迎を断った。飛行場から東直門まで飛行場専用軌道線で行き、東直門からは地下鉄2号線、5号線、7号線と乗り継いで目的の駅まで行った。地下鉄の料金は4元(約60円)と安いうえに、いずれの線も、5分程度で電車が来るので、それほど待つこともない。また、乗り換えも、さほど不便ではない。感動したのは、5号線に乗り込んだとたん、若い女性から「チン・ツオウ(お座りください)」と席を譲られたことである。東京の地下鉄では、そうした経験は全くない。

◇料金をスマホで支払う人が多い大衆食堂

 これまで北京滞在中は、個人的に街に出て食事をする機会はあまりなかった。しかし、今回は、接待の回数も少なく2回ほど街の大衆食堂で食事をした。ホテルから歩いて数分の飲食店を紹介されたので、行ってみると大衆食堂が3軒並んでいた。最初の日は、麺のファーストフード店に入った。ファーストフード店といっても、注文を受けてから材料の塊から麺を作る特殊な店であった。次の日は、その店の隣の食堂で食事をした。この店は、ご飯ものや麺類もある大衆食堂であった。両店とも、若者や家族連れが多かったが、料金の支払いは、ほとんどの人がスマホで行っており、その普及ぶりに驚かされた。

◇公園で生き生きと過ごす老人たち

 滞在3日目の午後、3時間ほど時間が空いたので、ホテルから2キロほど離れている龍潭公園に同行の一人と行った。公園の広さは、東京の日比谷公園の3、4倍はあろうか。公園は龍潭湖という池が半分以上占めており、湖畔には、垂柳などの樹木が植えられており、緑豊かな公園である。平日の昼間とあって公園には老人が多かった。公園の中には、劇場があったり、子どもの遊戯施設があったり、池には貸しボートがあったりして変化に富んでいる。その中でも、ある一角に卓球台が数台並べてあって、老人たちが生き生きとピンポンを楽しんでいる姿は、微笑ましかった。

(北京市の龍潭公園。写真提供:日本経営管理教育協会)