中国は近年、航空産業や高速鉄道産業で著しい成長を遂げているが、金融とITを融合させたフィンテックの分野では今や世界をリードする存在となっている。

中国メディアの中国日報網は13日、世界の主要国がフィンテックの分野でしのぎを削っていると伝える一方、中国は米ニューヨークやシリコンバレー、ロンドンを凌ぐ「世界のフィンテックの中心地」になろうとしていると伝えている。

 フィンテックが中国社会を大きく変えようとしていることについて、記事は「なぜ中国のフィンテックによる革命はこれほどまでに規模が大きく、変化のスピードも速いのか」と疑問を投げかけつつ、それは中国市場の独特さにあると指摘。中国の資本市場はまだ歴史が浅く、欧米による既存の金融システムが浸透していないうえに、中国の既存の金融機関はいずれも国有企業を相手にする国有銀行であるため、「中小企業や個人の金融サービスに対する需要はこれまで置き去りにされていた」と指摘する一方、こうした需要に対して民間企業がフィンテックを通じてサービスを提供することで一気に市場が拡大したと論じた。

 世界一の人口を誇る中国のネット人口は7億人を超え、近年は中国企業が安価なスマートフォンを市場に投入したことで、スマホ普及率も高まっている。フィンテックのサービスが爆発的に広まるだけの環境が整っていたことも、中国が「世界のフィンテックの中心地」へと変貌しつつある要因と言えるだろう。

 中国国内ではモバイル決済のようなサービスのみならず、保険や投資、借り入れ、資産管理などの金融サービスをビッグデータとAI(人工知能)を活用したうえで顧客に応じて内容をカスタマイズしながらサービスを提供する動きが拡大している。

 また、中国政府もビットコインに使用されていることで広く知られるようになった分散台帳技術「ブロックチェーン」技術を有望視しており、人民元の管理や社会管理に活用することを模索している。つまり、中国は官民ともにフィンテックを重視、有望視しており、今後も中国はフィンテックの分野で世界をリードする存在であり続けると見られる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)