ひと昔前に中国語を勉強した時、「弁当」の中国語は「盒飯」であると教わった。大陸では「盒飯」、台湾では「便当」が使われてきたが、いつしか大陸でも「便当」が用いられるようになった。その背景には大陸と台湾の交流が深まったこととともに、日本の「弁当文化」が広く知られるようになったことがありそうだ。

 中国メディア・今日頭条は23日、日本の弁当文化について紹介する記事を掲載した。記事は、日本の弁当文化は古墳時代の「乾飯」にまで遡ることができるとしたうえで、現在のような弁当の雛形が生まれたのは16世紀の安土桃山時代であると説明。それが時代とともに発展を遂げ、日本ならではの弁当文化が形成されたことを伝えている。

 また、日本の弁当は「形」を重んじるとし、日本料理がしばしば「目で食べる料理」と形容されるように、弁当でも見た目の美しさが追求されると説明。注文する弁当であっても、家で作る弁当であっても見た目の良さが弁当の大きな要素になっており、精緻で美しい弁当からは日本人の細やかな性格が伺えるとした。

 さらに、学校に通う生徒にとっては、家から持っている弁当が学校での「メンツ」を保つ手段にもなりうると指摘。自分の弁当のおかずが多く、見た目もきれいであれば、多くのクラスメイトが注目して交換したがるが、冴えない弁当であれば誰からも注目されないと説明した。

 日本人は食べ物でも見た目を重視するという考え方は、「キャラ弁」の流行からも説明できそうである。ただ、行き過ぎた「キャラ弁」の風潮は、毎日子どもの弁当を作る人の負担を増やすとともに、不毛な競争意識を煽ることになるから考えものだ。

 それはさておき、日本の弁当文化に興味を持つ中国の人がたくさんいる一方で、「日本の弁当は見た目だけで、おいしくない」という中国人も少なからずいる。その理由は、日本の弁当は基本的に冷めたものを食べるからだ。「冷めてもうまい」というのは、なかなか中国人には理解してもらえないのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)