昨今の中国では日本への旅行がブームとなっていて、毎月多くの中国人が日本を訪れている。しかし、中国政府は旅行を通じて自国の資本が海外に流出することに危機感を抱いているという。

 中国メディアの今日頭条は22日、日本のメディアが「中国当局が日本へのツアー旅行に対して制限を行うよう旅行代理店に通達した」と報じたことを紹介したうえで、「日本が出国税の課税を考え出したことが原因なのか」と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本の報道を元に、中国当局が一部の地域の旅行会社に対して、日本行きの観光ツアーの販売を制限するよう口頭で通達があったことを紹介。さらに、当局からの通達は地域によって内容が異なっているようで、山東省や大連市などでは、今年1年に販売できる具体的な数字が知らされたようであることも紹介した。

 続けて、観光庁の統計を引用し、2016年に日本を訪れた外国人のうち、中国人は約4割を占め、中国人の1人当たりの消費額が約23万円であったことを伝え、日本経済が振るわないなかで中国人旅行客の数が減少すれば、日本経済にとっては大きな痛手となると主張した。

 一方で記事は、日本への旅行を考えている中国人に対して、「個人旅行については制限されていない」ため、そこまで心配する必要はないと指摘した。これに対して中国のネットユーザーからは、「日本旅行は制限ではなくて禁止にすべきだ。なぜなら、日本人は中国に旅行に来ないし、消費もしないからだ」といったコメントが寄せられていた。

 日本を訪れる外国人旅行客が年々増加しており、16年は過去最高となる2403万人に達した。日本政府はすでに出国税の導入に向けて有識者会議を開催しており、日本から出国する人は日本人も含めて出国税が徴収される可能性が浮上している。「日本が出国税の導入」を検討し始めたタイミングで中国当局が「日本へのツアー旅行に対して制限を行うよう旅行代理店に通達した」のは偶然なのだろうか。それとも、出国税の導入に対する中国側の意思表示なのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)