日本経営管理教育協会が見る中国 第481回--水野隆張

■国連安全保障理事会の制裁決議の効果を疑問視する声が出ていた

 2017年9月12日国連安全保障理事会は、原油や石油精製品の輸出を制限することなどを盛り込んだ北朝鮮への新たな制裁決議を全会一致で採択した。しかし、妥協した内容には、焦点だった石油の禁輸が削られたことなどから制裁の効果を疑問視する声が出ていた。北朝鮮は本当に困らないと核ミサイル開発の放棄に向けた対話には応じないだろうという見方も広がっていた。

■安倍首相は国連総会の一般討論演説で北朝鮮への圧力強化を訴える予定

 その矢先、案の定北朝鮮は2017年9月15日午前8時57分ごろ、西岸付近から1発の弾道ミサイルを東北東方向に発射したのである。核ミサイルは日本上空を通過し、北海道・襟裳岬の東約2200キロの太平洋上に落下したと推定されている。

 今回のミサイル発射で日本領域への落下物は確認されておらず、航空機や船舶のなかったようだ。被害情報はないという。自衛隊による破壊措置の実施もなかったようだ。安倍首相は18日から22日にかけて訪米、国連総会の一般討論演説などで北朝鮮への圧力強化を訴える方針だという。

■北朝鮮の過激な威嚇はさらにエスカレート

 2017年9月14日には、北朝鮮アジア太平洋平和委員会は、日本列島を核兵器で「沈める」と警告するとともに、最近の核実験に対する追加制裁決議を行った国連を破壊して「廃墟と暗黒」にすると威嚇している。北朝鮮の対外関係やプロパガンダを担当する同委員会は、国連安全保障理事会の解散を要求し、安保理を「賄賂を受けた国々」からなる「悪魔の手段」と批判している。

■中国は米国を批判

 トランプ大統領は制裁の抜け道を支援しているとして中国・ロシアを批判しているがこれに対して中国は「当事者である北朝鮮と米国が直接話し合うべきで責任を押し付けるのはお門違いだと反論している。

■我が国としてはさらなる外交努力が求められている。

 止まることを知らないチキンレースの結末は見えてこない中でこれ以上の制裁を続けると北朝鮮の暴発を誘って核戦争を誘発する恐れがあるほか北朝鮮が核輸出を始めて核拡散が広がる危険性も憂慮されるという。我が国としては更に幅広い諸国に対して北朝鮮の暴挙を押さえるような外交努力が求められるところである。

(中国側北朝鮮に近い町ではハングルも。写真提供:日本経営管理教育協会)