中国で2011年に発生した高速鉄道の衝突事故。日本でも大きく報じられ、その凄惨さに衝撃を受けた人も多いだろう。中国は同事故をきっかけに高速鉄道の走行速度を引き下げて営業してきたが、事故から6年が経過したことを受け、一部路線で走行速度の引き上げを行う予定でいる。

 また、中国が自主開発したと主張する高速鉄道車両「復興号」の存在は、中国の「技術力の高さ」を示す証拠になるという声もある。だが、中国高速鉄道の輸出事業は果たして「復興号」によって加速することになるのだろうか。

 中国メディアの今日頭条は29日、中国高速鉄道の輸出事業は決して順風満帆ではなかったと伝える一方、それは復興号の登場によって変わるかもしれないと期待を示す記事を掲載した。

 最新版の中国高速鉄道車両と呼ばれる「復興号」は、中国の国家規格に基づいて設計された車両だ。記事は「復興号には中国が掌握した基幹技術が搭載されている」と伝えつつ、中国が自国の高速鉄道規格を「世界標準」にするうえで復興号は非常に重要な存在だと論じた。

 続けて、中国が推進してきた高速鉄道の輸出事業について「多くの国と協議を行ってきたが、実際に受注したのは多くはない」とし、それは中国の技術と規格が認められていなかったためだと指摘。一方で、高速鉄道に関わる重要な技術のうち、復興号には中国が自主開発した技術が大量に採用されていると主張、これによって中国高速鉄道は世界における発言権を得ることになると期待を示した。

 高速鉄道の建設には大量の資金が必要であるうえ、鉄道を利用する客数が一定以上見込めることが必要だ。そのほかにも電力を安定して供給できることなど、多くの条件があるものの、すべての条件を満たしつつ高速鉄道を建設したいと考える国は非常に限られている。また、実際に高速鉄道を建設するにあたっては「現地の世論や価値観」、「民族や宗教の違い」など、考慮すべき課題は多く、技術力があれば受注できるというものではない。

 中国が受注したインドネシアの高速鉄道計画も土地収用をめぐって暗礁に乗り上げてしまっているようだが、中国高速鉄道はこうした難関を乗り越えて世界へ羽ばたいていけるのだろうか。今後の動向にも注目していきたい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)