中国のネット上ではしばしば、日本と中国のノーベル賞授賞者数を比較する文章を目にする。両国の差を見て中国の人びとは嘆くのだが、この差は決して現在進行形の科学研究レベルの差を示す者ではないことに注意しなければならない。中国メディア・環球網は25日、日本の科学研究が衰えをみせている理由について論じたコラム記事を掲載した。

 記事は英国の科学雑誌・ネイチャーが実施した、日本の科学技術論文の世界全体に占める割合に関する調査で、2005年の8.4%から15年には5.2%にまで下落したことが分かったと紹介。また、同誌が「2001年以降、日本政府は科学研究費の支出を減らしたことにより、日本の科学技術研究の停滞、劣化を招いた」と評したことを伝えた。

 そのうえで、日本における1年間の科研費総額が18-19兆円なのに対し、米国は46兆円、中国は38兆円と日本の倍かそれ以上の金額になっていると指摘。一方で「経費不足が日本の科学研究の劣化を招いたという結論は道理にかなっているように見えるのだが、必ずしもそうとは限らない」とし、日本政府が依然として科学研究を重視していること、日本の研究従事者数に減少が見られないこと、日本における科学研究がおもに企業によって行われていることを理由に挙げた。

 記事は「では、ネイチャーや日本のメディアが日本の科学研究の衰えを強調することについて、どう見たらいいのか」としたうえで、問題点を挙げている。まず、日本の研究は「非常に『純血』であり、日本語を話す日本人だけでほぼ行われており、外国留学経験があり、海外の研究に熟知し、海外との共同研究経験を持つ研究者の割合が中国よりも低い」とした。

 続いて、日本は市場が縮小し続けており、研究の成果を速やかに普及させる道を見つけるのが難しいと指摘。「大学や企業はとても多くの優秀な人材を抱えている。しかし彼らが労働生産率を向上させる動力になっていないのだ。この衰えは解決するのに長い時間を必要とし、大きな困難を伴うものだ」と論じている。(編集担当:今関忠馬)