情けは人のためならず、という言葉がある。情けをかけるのは他人のためにならない、という意味ではなく、その行いは自分に帰ってくる、他人のためというよりも自分のためになるのだ、という教えである。それは「情け」だけでなく、他人に対するすべての行為に言えることだろう。日本が誇る「サービス精神」もそうだ。

 中国メディア・今日頭条は22日「日本企業の優れたサービスと、モノ作りを肌身で経験した」とする記事を掲載した。記事は日本のサービスについて「日本の伝統であり宝である。江戸時代の商人は仏心をもって商売に臨み、顧客のニーズを求めて回り、そのニーズを満たす品を届けていた。江戸商人のサービス精神が、日本の商人の伝統になっているのだ」と説明した。

 また、日本では学校教育において具体的な職業技術を教えない代わりに、知らず知らずのうちに「職人気質」を涵養すると説明。こうして培われた、より精度の高いものを求める精神、完璧を目指す心構えが、日本の製造業を強くした大きな要因の1つなのだと伝えている。

 そのうえで「これまで、日本人のサービスとはお辞儀をしてにこやかに笑うことに他ならず、特別なことではないと思っていた。しかし、実際の日本人サービスは予想をはるかに超えていた。しばしばやりすぎでは、と思うところもあるが、それでもサービスを受ける側は確かに心地よい。われわれが心地よさを享受すると同時に、彼らも自身も絶えず利になるものを生み出しているのだ。サービスとは、決して一方通行ではない相互利益なのだ」と論じている。

 サービスは相手のためばかりではなく、やがては自分のためになるという考えは、中国でのサービス業を発展させるうえで大きなポイントと言えそうだ。しかし「自分のため」ばかりがクローズアップされれば独りよがりに終わる。やはりまず考えるべきは、相手のことなのである。(編集担当:今関忠馬)