今、中国のネットユーザーたちが夢中になっている日本の動画がある。80年代バブル期を彷彿とさせるファッションに身を包んだ女性たちのダンスをおさめた約1分半のムービーなのだが、これを複数のメディアが中国版ツイッター微博でシェアしており、中には既に3万件近くのコメントが寄せられているアカウントもあるほどだ。

 懐かしいディスコミュージックに合わせて、キレキレのダンスを踊るこの女性たち、実は日本の女子高生だ。高校ダンス部の日本一を決める「日本高校ダンス部選手権」において、2017年夏の公式全国大会ビッグクラスで準優勝した「大阪府立登美丘高等学校」が見せた圧巻のステージの様子に、中国のネットユーザーたちがとにかく夢中になっているのである。

 興味深いのは、ユーザーの多くが、「魔性の動画だ」「中毒性がある」「癖になる」とコメントし、何度も動画を再生して楽しんでいる点だ。「彼女たちは一人一人が主役なのだ」というコメントもあるように、群舞でありながらそれぞれに個性があるため、「今度はこの子に注目して見てみよう」と、ついつい繰り返し見てしまっているようだ。

 ダンスに使用されているのは、1985年にリリースされた荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」。音楽に詳しい中国のネットユーザーも指摘しているとおり、オリジナルは同年にアンジー・ゴールドがリリースした「Eat You Up」(邦題「素敵なハイエナジー・ボーイ」)だが、同曲は香港のアイドル陳慧嫻(プリシラ・チャン)も広東語でカバーしており、中華圏でもなじみのある曲だったことも、ユーザーたちが動画に引き込まれた要因の一つかもしれない。

 また、中国における「高等学校」というのは、日本の大学にあたる教育機関を意味する総称であるため、「彼女らは中国の「高中生」、つまり高校生だ」と解説するコメントを見たユーザーたちからは、「その頃われわれは勉強ばかりしていたのに・・・」「彼女たちは豊かな学校生活を送っているんだなあ。中国の高校生は宿題とテストに埋もれているけれど・・」「日本は敗戦国だが、その発展ぶりは本当に素晴らしい」などと、学習だけでなく、部活動を通してスポーツや文化に触れる機会がある日本の教育に対し、羨望のまなざしを向けるコメントが多数寄せられていた。

 動画の高校生たちが生まれたのは2000年前後、当然バブル期にはまだ生まれていない。選曲や曲中のセリフ、ファッションや小物から判断するに、今人気の女性お笑い芸人の芸風が着想のきっかけになっているようだが、果たして中国人にも「大きな肩パットの入った原色スーツ」や「トサカのような前髪」、「巨大な携帯電話」の滑稽さが通じるのだろうかという点については、「アジアの80年代はみんな一緒だったんだな」「クレヨンしんちゃんのママたちが踊ってる!」「埼玉紅さそり隊(クレヨンしんちゃんに登場するスケバングループ)を思い出す」などというコメントが多数集まっているところを見ると、日本人とほぼ同じ感覚で、面白く懐かしく受け止めているようだ。(イメージ写真提供:123RF)