全世界に衝撃を与えた浙江省温州市での高速列車衝突事故が発生してから、今年の7月で6年が経過した。中国メディア・中国新聞社は21日、中国高速鉄道が9月に6年ぶりとなる時速350キロメートルの営業運転を再開すると報じた。

 中国鉄路総公司は20日、9月21日に全国の鉄道ダイヤ改正を実施することを発表した。これに合わせて、北京―上海の京滬高速鉄道で高速列車「復興号」の最高時速を350キロメートルに引き上げることも明らかにしている。時速350キロの「復興号」は、北京―上海間を1日7往復し、4時間半で結ぶ予定だ。

 記事によれば、2011年時点で中国では京津高速鉄道をはじめとする4つの高速鉄道路線で時速350キロ運転を実施していたという。しかし、同年7月に発生した温州高速列車衝突事故により、スピードよりも安全性の重視へとシフトを余儀なくされた。あれから6年、中国高速鉄道は再び「350キロ時代」を迎えることになるが、記事は「安全性は大丈夫なのだろうか」と疑問を提起した。

 そのうえで、同公司の総経理が「技術の安全性、信頼性、快適性いずれにおいても問題ない」と語ったことを紹介。京滬高速鉄道は世界的に最も高い設計、建設基準のもとで08年に着工して11年に営業開始し、6年間安全な運行を続けるとともに設備も良好な状態を保っているとしたほか、7月に行われた走行試験や安全評価において、専門家らが時速350キロで営業運転する条件を十分に備えているとの意見で一致したことを伝えている。

 現在中国には高速鉄道の線路が2万2000キロメートル敷設されているが、その約3分の1は時速350キロの設計になっているという。記事は、今後この速度で運行する路線が増える可能性について、専門家が「経済性や社会効果といった点から具体的に分析する必要がある」と慎重な見方を示したことを伝えた。

 6年前の痛ましい事故が起きるまで、中国の高速鉄道はスピードアップばかりに執着していた。今回は、安全性が十分に確保されたうえでのスピードアップであることを祈りたい。そしてまた、各路線が安全性を二の次にしたスピードアップ競争に走らないことを願いたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)