中国メディア・今日頭条は17日「日本の販売員はどうして進んで話し掛けてこないのか」とする、日本新華僑報網・蒋豊氏によるコラム記事を掲載した。

 記事によると、中国ではアパレル店などに入ると店員がしつこくまとわりついてくるケースが多いのだという。記事は「日本人もこういった苦悩を抱えている」とし、あるアンケートで80%の人が「店員には一定の距離を保ってもらいたい」と回答したと伝えた。

 そのうえで、SNS上で感想や評判を自由に発信できるようになったことにより、日本ではアパレル店や美容院、タクシーといった業界で「サイレント接待」というサービス改革が起こっていると紹介。「以前のように積極的に話し掛けたりせず、客に見て見ぬふりをし、客が話しかけてくるまでは積極的にコミュニケーションをとらない」と説明している。

 そして、この「サイレント接待」を導入したことで実際に客から好評を得たというアパレル店の責任者の話や、予約時にスタッフとの会話の有無をリクエストできるシステムを導入した美容院の話を紹介。さらに、コミュニケーションが苦手だった美容師にとっても、静かに集中して髪を切るという本来のサービスを提供できるメリットがあるとの声も伝えた。

 記事は「これは日本の強みである周到なサービスを捨てるということではない。姿を隠すべき時は隠し、出てくるべき時には出てくるサービスこそ、最高のサービスなのだ」と論じている。そして「日本人は分析、研究、改善をやり続ける。中国も日本に学んで顧客の快適さを第一に考えてサービスするとともに、サービスを学問と捉えて分析、研究、改良する必要があるかもしれない」と指摘した。

 必要でない時にあれやこれや話し掛けられるのは確かに客としては鬱陶しい。しかし、実際に相談したい場合や買いたいものを決めた場合に店員がなかなか見つからないというのもストレスが溜まる。「サイレント」は客の放置ではなく、客が快適に過ごせるよう静かに見守り続けることなのだ。

 中国では、かつて愛想が悪いと散々な評判だった販売員のイメージを向上すべく、積極的に客と接触するサービスが盛んに行われる段階なのだろう。しかしそれも過剰になり始めているようで、さらなるサービスアップに向けた新たな変革が始まりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)