中国では微信支付(WeChatペイメント)や支付宝(アリペイ)といったアプリの普及により、消費者はもはや財布を持たずに外出し、買い物ができるようになった。キャッシュレス社会の到来はフィンテックの発展の恩恵と言えるが、その一方では進展するキャッシュレス化は葛藤も生み出しているようだ。

 中国メディアの玩技術は14日、中国で進展するキャッシュレス社会における様々な葛藤について紹介する記事を掲載し、中国が完全なキャッシュレス化を実現するにはまだまだ時間がかかると伝えた。

 中国では近年、「無現金」という言葉が頻繁に取りざたされるようになった。「無現金」とはつまり「キャッシュレス」の意味だが、この概念は微信支付(WeChatペイメント)が2015年に「8月8日をキャッシュレスデー」とするキャンペーンを打ち出したのが最初だとされる。また、支付宝(アリペイ)も「無現金連盟」という組織を設立するなど、中国は本格的なキャッシュレス社会の到来に向けて着実に歩みを進めていると言えるだろう。

 中国はもともと偽札が流通していたが、電子決済によって偽札を掴まされるリスクが減少し、小売店なども微信支付や支付宝と連動したスマホアプリを通じて、様々な販促活動を展開できるようになるなど、キャッシュレス化は中国社会に大きなメリットをもたらすと考えられていた。

 報道によれば、中国では「無現金」という言葉には、現金払いに対する「差別的な意味合い」があるという論調も登場しているようだ。中国は国土が広く、地域によって発展格差も非常に大きいうえ、高齢者はスマホなどの電子機器に慣れていない。また、電子決済のインフラ整備は進んでいるが、電子決済を含めたフィンテックによる金融リスク全般に対する管理や監督を行う公的機関の整備が遅れているという指摘もあり、中国が完全なキャッシュレス化を実現するにはまだまだ時間がかかるという見方も多い。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)