中国全土に張り広げられた高速鉄道の路線のなかでも、北京と上海を結ぶ「京滬(けいこ)高速鉄道」は政治と経済の中心都市を結ぶ重要な路線となっている。

 中国では2011年の衝突事故によって高速鉄道の運行速度の引き下げがなされたが、京滬高速鉄道では近い将来、時速350キロメートルの運行が再開される予定であることが発表された。速度の引き上げが実現すれば現在より1時間早い4時間30分ほどで北京ー上海間を移動することが可能になる。

 中国高速鉄道の著しい発展は、輸出をめぐって競合関係にある日本にとっては脅威にほからないが、中国メディアの華夏時報網はこのほど、中国高速鉄道のこれまでの軌跡を振り返りる記事を掲載した。

 北京から上海を頻繁に行き来する人にとって、郊外にある空港までの移動を含めた時間的なロスを考えれば、京滬高速鉄道での移動も選択肢に入るようになった。だが、京滬高速鉄道の建設が2007年12月に静かに始まったころ、中国ではこれほどまでに高速鉄道が発展を遂げると考えていた人は決して多くはなかったようだ。

 中国高速鉄道は2016年末には中国国内の営業距離が2万2000キロを超え、世界の高速鉄道路線の60%を占めるまでになった。さらに中国政府は2025年までに営業距離を3万8000キロメートルにまで拡大する計画を掲げている。

 記事は、中国高速鉄道は広大な鉄道網を構築したが、1つだけ不足している点があるとし、それは速度であると指摘。08年には北京と南京を結ぶ路線の試験運行で時速394.3キロを記録し、09年には武広の路線では時速350キロの運行が始まり中国高速鉄道の速度は世界最高となったとする一方、11年に起きた高速鉄道の衝突事故により鉄道建設が見直され、しばらく建設が滞り、世界最速の時速350キロの運行も見られなくなったとした。

 しかし、中国では事故から6年が経過したことで、再び時速350キロで走行することが決定的となったことを伝え、「実績を積み上げた中国高速鉄道は世界からも参考にされるほどになっており、速度が引き上げられれば、世界をリードする存在に返り咲くのは確実」とした。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)ivantagan/123RF)