フィリピンの大気汚染の改善に、日本のFintech企業が技術力を生かして貢献している。グローバルモビリティサービス(Global Mobility Service、本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員/CEO:中島徳至)は、低所得者層の人々に、新型の三輪タクシー(トライシクル)をローンやリースで購入できるようにする手段を提供している。メトロ・マニラといわれる首都圏で、次々と自治体と提携を結んでサービスを拡大している。8月3日までに、マニラの北西に位置するナボタス市と提携し、これによって提携都市は5都市になった。

 ナボタス市は、人口25万人。マニラ湾に面して漁業が盛んで、漁獲量はフィリピン国No.1ともいわれるが、市民の生活の足として根付いている準公共交通機関であるトライシクルが排出する排気ガスによる大気汚染が、深刻な社会問題となっている。

 フィリピン国は「Clean Air Act」法により、排気ガスの多い旧型車両(2ストローク車両)の新規登録の禁止・取り締まりを決定しているが、ナボタス市内で走行するトライシクルの80%以上の車両は2ストローク式の旧型車両のまま。市民の多くがBOP(Base of the Pyramid)層に位置付けられ、金融機関からの信用を得られずローンやリースを活用できないために、排気ガスの少ない新型車両の普及が進んでいないのが現状だ。

 そこで、GMS社は、独自開発のIoTデバイスである「MCCS(Mobility-Cloud Connecting System)」を車両に搭載することで、車両の遠隔起動制御が可能にし、月々の料金支払いがなされていない車両を対象に、エンジン起動を制御して支払いを促すことで、料金支払い遅延を大幅に減少させることを可能にしている。また、車両のリアルタイム位置情報を特定することで、料金未払いが続く車両に関しては確実に回収し、ローンやリースの貸し倒れによる損失リスクを著しく減少させることで、従来はローンやリースが活用できない人々にも車両の提供ができるようにしている。

 ナボタス市はGMS社のサービスを活用することにより、旧型のトライシクル車両の新型車両への入れ替えを促進し、大気汚染の改善を実現すると共に、これまでは車両を入手できないためにトライシクルドライバーとして仕事を行うことができなかった人々に対する就業機会の確保、及び所得の向上を実現し、ナボタス市民の生活の質の向上を目指すとしている。

 GMS社は、これまでに、マカティ市(マニラの南東、人口52.9万人)、パサイ市(マニラの南、39.2万人)、ケソン市(マニラの北東、276.1万人)、パラニャーケ市(パサイの南、58.8万人)の4都市と提携してサービス提供を行ってきた。

 GMS社は、今後マニラ首都圏を中心に提携都市を拡大し、このフィリピンでの取り組みを基に、ASEAN各国において事業を展開していくとしている。(写真は、ナボタス市長とGMS社CEOの中島徳至氏、提供:GMS社)