アジアを中心に高速鉄道市場が拡大している。中国は高速鉄道の輸出事業を推進しており、インドやタイなど各国に積極的に売り込みを行っている。また、日本も新幹線を含めたインフラ輸出を成長戦略の一環に掲げており、日中は各国で受注競争を繰り広げている。
 
 香港メディアの鳳凰網はこのほど、世界における高速鉄道の市場規模は今後もさらに拡大する見通しだと伝える一方、新幹線が中国高速鉄道の競合相手として輸出を推進していることは中国高速鉄道の輸出に大きな影響を与えているが、中国は日本とともに高速鉄道建設を推進すべきと論じている。
 
 中国は2009年に高速鉄道の輸出戦略を正式に発表し、中国を起点とした経済圏の確立を目指す「一帯一路」も推進している。一方、日本も新幹線の輸出を推進しているが、記事は「日本と中国の関係が冷え込むと同時に、日中は高速鉄道市場で競合関係になっている」と指摘した。
 
 さらに、日本は中国高速鉄道の技術について「模倣」や「パクリ」であると批判し、2011年の衝突事故を持ち出して中国高速鉄道の安全性についても疑問視する声を挙げていると主張。また、日本は中国の高速鉄道輸出に対して、様々な「対抗措置」を打ち出し、中国の提案内容より優れた条件を相手国に提示するなど、中国に対抗意識を燃やし、競争の姿勢を明確化していると論じた。
 
 また、日本が中国高速鉄道に対して競争意識を持つのは、中国が一帯一路戦略によって世界経済および政治への影響力を拡大すれば、中国を中心とした国際秩序が構築され、日本の影響力が相対的に低下してしまうためだとした。つまり、日本と中国の高速鉄道の輸出をめぐる競争関係は単に経済面における競争ではなく、国際政治における競争でもあるということだろう。
 
 一方で記事は、中国にとって高速鉄道輸出で日本と競合関係にあることは「決して好ましいことではない」と主張。日本との関係を改善し、日本とともにアジアの高速鉄道建設を推進することで「一帯一路」構想はより実現性の高いものになるとの見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Chitsanupong Chuenthananont/123RF)