日本を訪れる中国人旅行客の数が年々増加傾向にある。日本政府観光局(JNTO)によれば、2010年に日本を訪れた中国人客の数は141万2875人だったが、16年には637万3564人にまで増加した。円安が進んだことや、中国人の所得が増加していることなどの背景はあるものの、観光立国を目指す日本が行ってきた取り組みの成果が着実に現れていると言えるだろう。
 
 中国には風光明媚な世界自然遺産や悠久の歴史を背景とした世界遺産が数多くあるが、その一方で食の安全問題や大気汚染などの環境破壊が大きくクローズアップされる傾向にあるためか、中国を訪れる外国人客の数は伸び悩んでいるのが現状だ。
 
 中国メディアの今日頭条は8日、海外旅行を楽しむ中国人が近年、増えていることを伝える一方で、中国を訪れる外国人客はほとんど増えていないと指摘する記事を掲載した。
 
 記事は、中国のシンクタンクである全球化智庫(CCG)と旅行の予約サイトである携程旅行網が共同でまとめた報告の内容として、15年に海外旅行に出かけた中国人の数は05年に比べて4倍以上に増加したことを伝え、特に16年に中国人が国外で消費した金額は2610億ドルに達し、世界全体の20.9%を占めたことを紹介。
 
 中国人旅行客にとって人気の渡航先は日本や韓国、タイ、ベトナム、シンガポールが挙げられると伝え、これらの国は中国人客の増加によって大きな経済的恩恵を受けていることを伝えた。
 
 一方で、中国を訪れる中国人の数は05年から15年までの11年間で11%しか伸びておらず、年率で換算すれば約1%しか伸びていない計算になると指摘し、出国する中国人客に比べ、中国を訪れる外国人旅行客の伸びはあまりに緩慢であると指摘。中国が外国人客を受け入れる環境が整備されていないことが要因の1つであると指摘し、中国人が国外に大量のお金を落とす一方で、外国人客が中国で落とすお金は少なすぎるとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)chuyu/123RF)