(21)“稳步前进”
 
 那末是不是说汉字简化工作就没有缺点呢?是不是说“汉字简化方案”中的简字就没有不合适的呢?不是的。应该指出:汉字简化工作所采取的方针是正确的,已为两年的经验所证明,但是在具体工作中还有考虑得不周到的地方。(では、漢字の簡略化の仕事にはもう欠点はないのであろうか。〔1956年1月に国務院が公布した〕「漢字簡化方案」のなかの簡体字には不適当なものはないのであろうか。そうではない。漢字の簡略化の仕事について決めた方針が正しいということは、この2年間の経験が証明しているが、具体的な仕事のなかには、まだ考えが不十分なところがあった、ということは指摘しておかなければならない。)
 
 “稳步前进”、先を急がずじっくりと政策を推し進めていこうとする態度が、見てとれる。
 
(22)“本来还没有定案”
 
 实践证明,少数简字在应用上还不够妥善,或者可能发生误解。这些少数简化得不恰当、在使用中证明有缺点的简字,应该另行规定它们的简体,或者保留原来的繁体。(ある少数の簡体字は実際に使ってみて、あまり適切でないとか、誤解を生ずる恐れがあるとかいうことが、〔ここ2年間の〕実践のなかで証明された。これら少数の略し方が適当ではないとか、使ってみて欠点があるとかが証明された簡体字は、改めて略し方を決めるとか、元の繁体字のままにしておくとかしなければならない。)
 
 1956年1月に国務院が公布した「漢字簡化方案」が3つの表から構成されていることは、先に触れたが、じつはまだ“定案”、決定ということにはなっていないと言う。
 
(23)“现在正在征求各方意见”
 
 就是第一表中的二百三十个简字,如果的确有不适当的,也可以作必要的修改。(〔方案公布の時点からただちに使用されるとした〕第1表に収める230個の簡体字についても、どうしても不適当であることがわかれば、必要な修正を加えてもかまわない。)
 
 中国文字改革委员会现在正在征求各方意见,进行简字的整理和修订工作,大家对简字有什么意见,可以向中国文字改革委员会提出,请他们考虑,然后再进一步定案。(中国文字改革委員会は、現在、各方面からの意見を求め、簡体字の整理や修正の仕事をしているところであるから、簡体字について意見があったら、誰でも中国文字改革委員会に提出して、考慮を促すことができ、そのうえで一歩進んだ案を得ることになる。)
 
(24)国外からの意見も取り入れて
 
 「漢字簡化方案」が国務院から公布されたのは1956年1月ですが、実はその1年前の1955年1月に中国文字改革委員会から草案が示され、広く各方面に意見を求めています。
 
 寄せられた意見の総数は、最終的には20万件に達したと報じられています。その中には国外からのものも含まれていて、日本からも中国語教育界を代表して倉石武四郎博士が意見書を提出されたと聞いています。
 
 寄せられたさまざまな意見を取り入れた結果、草案の段階では798字であったのが、正式に公布された時点では515字に減っていました。(イメージ写真提供:123RF)