中国で近年、ITと金融を融合させた「フィンテック」が1つの産業として大きな盛り上がりを見せている。人工知能やクラウドコンピューティング、ビッグデータ、ブロックチェーンといった新しい技術を駆使した金融サービスが続々と生まれている中国は、世界の新しい金融サービスを牽引する存在になりつつある。
 
 中国メディアの中国証券報は29日、中国のフィンテックは新しい時代を迎えつつあると伝え、多くの企業がこの産業に続々と参入していることを指摘し、産業全体として急激な成長を見せていると伝えた。
 
 記事は、中国の海通創新資本投資の許希文副総裁の見解として、中国は金融サービスの市場そのものが大きいため、フィンテックという概念が生まれてからすぐに投資の対象となったと紹介。資金がフィンテック関連を手がけるベンチャー企業に集まり、成長を加速させたと伝えた。
 
 「海通創新Fintech観察報告」によれば、中国には世界を牽引するフィンテック関連企業が複数存在する。特に日本でも導入が進む電子決済「アリペイ」を手がける「螞蟻金融服務集団(アントフィナンシャル)」は株式の時価総額が600億ドル(約6兆7370億円)と見積もられているほか、P2Pの融資仲介を行う「上海陸家嘴国際金融資産交易市場(陸金所)」は185億ドル(約2兆795億円)、中国全土の若年層を対象にローンサービスを提供する「趣分期」が59億ドル(約6632億円)などとなっている。
 
 時価評価額が10億ドル(約1124億円)以上かつ非上場のベンチャー企業を「ユニコーン」と呼ぶが、中国にはフィンテック関連企業だけでユニコーンが8社も存在する。中国では金融サービスに対して様々な規制が強化されると同時に、IT技術を活用して規制に対応する「レグテック」や、保険分野におけるInsurtech(インシュアテック)、資産管理のWealthTech(ウェルステック)も、フィンテックの要素として発展しているという。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)