日本を訪れる中国人観光客が急増したのに伴い、日本の食文化に対する中国人の関心も急速に高まった。その1つが居酒屋文化で、日本の居酒屋に入るのを楽しみにやって来る中国人観光客も多いという。そして、中国国内にも続々と日本風の居酒屋が出現している。しかしその「立ち位置」は、本場の日本とは少々異なるようだ。

 中国メディア・今日頭条は16日、「どうして中国の新たな中間層は、日本の居酒屋を好きになったのか」とする記事を掲載した。記事はまず日本の居酒屋について「リラックスした飲食環境と雰囲気、そして庶民的な価格により大きく発展し、現在日本では11万店を超える居酒屋が存在する」と紹介。居酒屋は日本の高ストレス社会の調整弁的役割を担っており、個人の社会的ステータスや責任感といった足かせを解き放つチャンスを与えてくれる場であると説明している。

 一方、中国の都市部に続々と出現している日本風居酒屋は「体面とファッション」という要素を持っているのだという。記事は、中国の中間層が居酒屋での飲食を楽しむ理由として「店の内装が精緻であり、中国人が熟知している日本の要素が詰まっていること」、「多くの人が気軽に入れるほど廉価ではなく、中産階級というステータスに見合った価格で楽しめる点」、「居酒屋自体が持つ日本らしさが、多くの人に『ここで出されるのは本場の日本料理だ』という錯覚を抱かせること」の3点を挙げた。

 そして、「居酒屋は中国では高級路線を歩み出している。ラーメン店やオムライス店に打ち勝ち、無印良品同様に今の中国におけるちょっとリッチな生活スタイルの縮図となり得たのである」と結んでいる。

 日本の居酒屋は高級なものから超庶民的なものまで幅広く存在するが、やはり「安くてたくさん飲み食いできる」という大衆的なイメージが先行する。これに対して中国ではおしゃれでちょっと贅沢な中産階級のシンボル的存在になりつつあるというのは、興味深い。もし中国にある日本風居酒屋で飲み食いして値段が高いと感じたら、それは中国人と日本人との間で居酒屋の「位置づけ」が異なることによるものなのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)