現在日本に現存している古代建築などの文化財は、幾たびの戦乱や社会や政治の変化の波から逃れ、生き延びてきたものである。特に第2次世界大戦では空襲などにより数多くの文化財が失われたが、京都や奈良の文化財はほぼ被害を免れ、現在もその美しさで人びとの目を楽しませている。
 
 中国メディア・今日頭条は11日「第2次大戦中の日本の古代建築が保存できたのは、ある中国人のおかげだ」とする文章を掲載した。文章は、日本に行く中国人には、ショッピング以外に古代建築を楽しみにしている人が多いと紹介。「なぜなら、唐の文化の建築風格を継承し、中国文化がそのまま残されているからだ」と説明した。
 
 そのうえで「京都や奈良など日本の古代建築が完全な状態で残され、米軍による爆撃によって破壊されなかったのは、著名な建築家である梁思成氏によるところが大きいのだ」としている。
 
 文章によれば、梁氏は古代の建築は全人類のものと考え、自ら米軍の指揮官に会って「われわれが受けた災いを考えれば日本を撃沈せしめたい。しかし、建物は社会の縮図、民族の象徴であるとともに、全人類の文明の結晶でもある。唐招提寺や法隆寺は世界最古の木造建築であり、ひとたび破壊すれば永久に元には戻らなくなる」と文化財の多くの残る地域への攻撃を踏みとどまるよう懇願し、その熱意を米軍が受け入れたという。
 
 文章はまた、梁氏が日本の文化財だけでなく、中国を代表する歴史的建造物である北京の故宮の保存にも大きく寄与したと紹介。「故宮と城壁の保存を巡って激しい論争を繰り広げた。城壁の撤去は阻止できなかったが、故宮を別の場所に移して再建する構想を阻むことに成功した。今、故宮が見られるのはそのためだ。梁氏は古代建築に生涯心血を注いだ、尊敬に値する人物なのだ」と伝えている。
 
 各国にある偉大な建造物を世界の宝物として広く認知させ、守っていこう、というのがユネスコによる各種世界遺産プロジェクト本来の趣旨だ。決して、登録された数の多さを競い合い、どの国よりも多くの遺産が登録されたことを喜ぶためのプロジェクトではないのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C) paylessimages /123RF)