京劇、中国画と並んで「中国の3大伝統文化」とされることが多い中国医学。しかし、中国医学をもとに発展した漢方薬のほうが世界的な認知を得ているのだという。中国メディアの捜狐網は5日、漢方薬が世界的な認知を得ているのは「日本の製薬会社が世界に向けて販売しているから」と伝え、「中国の漢方なのに、日本が世界中で稼でいる」と論じる記事を掲載した。

 記事によると、日本に中国医学が入ってきたのは唐の時代にまでさかのぼるが、江戸時代には蘭学が人気となり、明治維新以降は西洋医学が盛んになり、日本では漢方医学離れが顕著になった。しかし、日本では1970年代になって、慢性疾患やアレルギーなどが西洋医学ではなかなか解決できなかったため、漢方医学が再び脚光を浴びるようになったと紹介した。

 では、日本の漢方薬はどのように「中国を超えた」のだろうか。まずは「政府の支持」により、保険対象となり漢方医学の教育が重視されるようになったこと、また、「企業によるイノベーション」があるという。日本の製薬会社は、飲みにくい漢方薬を現代人の生活に合わせて顆粒剤、錠剤、カプセルなどの形に変える工夫をしている。さらに効果を最大限に保つための技術や設備投資にも力を入れるなど、イノベーションを続けてきた。

 別の面としては、感覚に頼り、調合する人によって処方される薬に差が生じる中国の漢方薬と違い、日本の漢方薬は一定した高い「質」が保証されているため世界に受け入れられているとした。さらに、日本の漢方薬は「伝承を重んじて」いて、古い漢方の書物を翻訳・出版し、同時に最新の漢方の情報にも通じていることを高く評価した。

 しかし記事は、日本における中国医学には「廃医存薬」、つまり中国医学の理論を廃棄して薬だけ残すという悪い側面があると指摘。「中国医学は中国人の家宝」であり、「本家大本」であるゆえ、中国には「日本の漢方産業を超える余地がある」と主張し、「中国も漢方薬で大いに成功しなければ」と、日本の成功にあやかり波に乗りたい心境をのぞかせた。

 漢方薬は、中国由来とはいえ、その後日本で独自に発展した部分も大きい。世界市場において日本の漢方薬が認められているというのは、独自の発展の結果であり、中国の漢方とはやはり一線を画しているといえる。日本の漢方薬はこれからも発展を続けるに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)