日本経営管理教育協会が見る中国 第465回-- 磯山隆志

■G-SHOCK年間販売台数850万に

 G-SHOCKとはカシオ計算機株式会社が販売する腕時計である。1983年から販売され、これまでの累計販売台数は約8,000万台とされる。G-SHOCK最大の特徴の一つは堅牢性にあるといえる。もともとのコンセプトは「落としても壊れない時計」であった。開発には1年以上の時計を落とす実験を重ねて試行錯誤したという。苦悩の末に発売されたが、発売後、人気に火がついたのは日本よりもアメリカであった。

■アメリカで人気拡大

 アメリカでアイスホッケーの選手がG-SHOCKを叩いても壊れないという堅牢性についてアピールするコマーシャルが放送された。これをきっかけにその堅牢性を検証するテレビ番組が放送され、様々な実験をしても壊れないことが証明された。このテレビ番組の影響により屋外で仕事をするプロフェッショナルな職種の人々から評価が上がり、人気が拡大した。さらに堅牢性に加えてスポーツ選手などからファッション性も評価されブームとなっていった。

■日本への逆輸入でブーム

 日本では90年代にアメリカでの人気を逆輸入する形でブームとなった。1997年には600万台を出荷しヒット商品となったが、これをピークとしてブームは下降気味となっていた。しかし、2010年代に入り、再び人気が高まっている。出荷台数は年々増加し、90年代のブームの時を超えるまでに復活した。2016年度では過去最高の850万台を達成したとされる。

■中国で人気拡大

 その要因の一つは中国における人気の拡大があった。カシオではこれまでに中国でG-SHOCKのイベント開催や、ゴリラを使用した堅牢性をアピールするコマーシャルなどのプロモーションを行ってきた。今後もインターネットでの販売やSNSを活用したプロモーションを強化するとしている。

 中国では若者を中心に人気を博しているとされる。一方、日本では90年代のブームを牽引した、かつての若者、つまり30~40代の大人に人気が高まっているとされ、高い価格帯のものが好調といわれる。いずれ中国でも同様に大人向けの高価格帯商品の人気が高まるであろう。G-SHOCKにしかない堅牢性を中心としたブランドのストーリーに共感する人は多い。すでに世界的なブランドとして認知されているなか、今後、巨大な市場でどれだけ存在感を高めていくのか注目したいと思う。(執筆者:日本経営管理教育協会・磯山隆志氏)(写真は、カシオ製女性向け腕時計。日本経営管理教育協会が提供)