日本経済のバブル崩壊後の期間を指して「失われた20年」という言葉が用いられることがある。中国経済も不動産バブルが生じていると指摘されており、経済成長率の低下がささやかれるようになった今、同じ経験を先にした日本に多くの中国人が興味を抱いているようだ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国では「失われた20年」という言葉が日本経済の衰退と没落を裏付ける言葉として使用されがちであり、一国の経済でバブルが崩壊した後に迎える低迷期に関する事例と認識されていると伝える一方、「出張や旅行で訪日した中国人は、自分の目で見た日本の姿と失われた20年という言葉をどうしても結びつけることができない」と論じる記事を掲載した。

 記事はまず、失われた20年という言葉は国内総生産(GDP)の成長率だけを唯一の基準とするという考え方であるとし、経済成長率が低迷しながらも今なお日本が豊かな国であることを理解するには「GDP成長率だけを基準とする考え方から離れる必要がある」と指摘。また、日本は1995年から2015年までで、労働人口が急激に減少していることを挙げ、「労働人口が減少すれば、GDPの成長が抑制されるのは当たり前」だとした。

 労働人口が減少しても日本のGDP成長率が一定の水準を保っているのは「失われた20年の期間中、日本の労働生産性が大幅に向上している」ためだと指摘。生産性の向上は、労働力の不足を補っているとし、むしろ日本経済は筋肉質になったと論じた。

 さらに、日本企業は国外にも多く進出しているが、国外に持つ莫大な資産は日本のGDPには計上されていないことも紹介している。実際、有名な日本の自動車企業を例に上げ、「毎年生産する1000万台の自動車の内、おおむね3分の2は海外で生産されている」としたほか、日本企業が国外に持つ純資産はバブル崩壊後も増え続けており、日本は国外でもしっかり稼ぐ構造になっていると伝えた。

 失われた20年と言われ、経済成長率が低迷しているはずなのに、日本社会が豊かに見える理由について「GDPの成長率の他の要素を考慮すれば分かってくる」と記事は結んでいる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)