中国では「喧嘩」を見かけることは特に珍しいことではない。これは中国人自身も認めており、レストラン、空港、病院、図書館など、人が集まる場所で大小の喧嘩が起きることは日本以上に多いと言える。中国人は日本人のように自ら謝り、トラブルを避けるために身を引くことをしない傾向にあるため、一度なんらかの形で衝突が起きると、そのまま喧嘩にエスカレートしてしまうのかもしれない。

 喧嘩が特に珍しいものではない環境のもとで暮らす中国人だが、いざ日本で生活する機会が訪れると「日本社会では日本人同士の喧嘩が極めて少ない」ということに気付くようだ。確かに日本では見知らぬ他人同士が街中などで喧嘩に発展するようなトラブルはほとんど起きないと言えるだろう。中国メディアの伝送門は11日付で、「日本人はなぜ喧嘩をしないのか」と疑問を投げかけ、その理由について考察する記事を掲載した。

 記事は、投げかけた問いに対して、親日派の中国人であれば「日本人は民度が高いから」と答え、また反日派であれば「日本には軽犯罪法が存在するから」と指摘するだろうと説明する一方、日本人が喧嘩をしない根本的な原因には「世間の目」という要素があると指摘した。

 つまり日本人は世間の目を気にするゆえに、また世間に迷惑をかけないために、腹が立っても公衆の面前で喧嘩をすることはないと説明、またこれは世間から「村八分」にされることを恐れるという伝統的な心情から生じていると論じた。

 記事が指摘している「日本人が喧嘩をしない理由」についての分析は確かに的を得ていると言えそうだ。では、なぜ中国人は人前での喧嘩を避けようとしないのだろうか。中国メディアの360docによれば、中国では口論している当事者たちの周囲には野次馬が集まり、喧嘩を煽りたてることがあるという。実際に手を出すつもりのなかった当事者たちでさえ、煽り立てられて相手を殴ってしまい、自分が英雄となった気分になるらしい。

 また喧嘩をあおる周囲の人びとは、「中国の新年のお祝い以上にこうした喧嘩を喜ぶ」とも指摘されているが、日本には喧嘩を煽る野次馬は多くなく、むしろ善意から喧嘩を止めようとする人の圧倒的に多いだろう。こうした違いも、中国と日本で「見かける喧嘩の数」の違いを生む要因と言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)