日本を訪れる中国人旅行客の間で「温水洗浄便座」や「電気炊飯器」が爆発的な人気を得たことは記憶に新しい。便座や炊飯器ほど爆発的でないにしても、持続的な人気を獲得しているのが日本製の「鉄器」だ。湯を沸かす鉄瓶や鉄鍋が人気となっており、中国国内でも中国メーカーが生産する鉄器を購入できるはずだが、なぜ日本製の鉄器が人気なのだろうか。

 中国メディアの今日頭条は6日、中国国内でも「南部鉄器」は高い知名度を獲得していることを伝え、中国メーカーが生産する鉄器よりはるかに高額であるにもかかわらず、中国人の間で人気となっている理由について考察している。

 中国はどのような商品も偽物が出回る環境にある。そのため、優れた製品であっても一度人気に火がつくとすぐに偽物が出回り、市場価格の下落や売り上げの減少に追い込まれることが多い。中国人消費者にとっても今人気の「鉄瓶」がどのように造られているのかを深く知ることで、なぜ本物の南部鉄器は高額なのか、そしてなぜ質が高いのかを理解できるだろう。

 記事は、南部鉄器は岩手県水沢が有名で、今でも多くの鋳造所が存在していると紹介。160年の歴史を持つ鋳造所もあり、その工場のたたずまいは素朴だが、職人たちはみな代々受け継がれてきた技術を用いて、1つ1つの鉄器を手作業で作り、さらにその製作工程は多岐にわたるうえに極めて複雑だと伝えた。

 南部鉄器は高い技術を必要とする伝統工芸であるゆえ、「偽物の南部鉄器を作ることは不可能」であり、こうした要素こそ高額でも南部鉄器が売れる理由だと論じた。日本でも決して安くない南部鉄器だが、中国では模様の美しい急須などの茶具がとても人気があり、極めて高額で売買されていることを伝えた。

 日本では伝統工芸と手作業の価値がある程度正当に評価されていると言えるが、中国のネットユーザーからは「中国の伝統工芸品の職人は金もうけばかりだ。だから伝統工芸品が見下されるんだ」、「日本には職人を尊敬する環境があるゆえ職人も高い収入を得る良い循環があるが、中国の伝統工芸は利を求めるあまり、その価値自体が失われつつある」という意見が寄せられていた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)