中国の国産旅客機C919が5日、上海浦東空港で初めての試験飛行に成功した。試験飛行の様子は中国の国営放送局である中国中央電視台(CCTV)も生中継したが、離陸の際に現地では大きな歓声が沸き起こった。中国にとってC919の試験飛行は誇らしい出来事であることが見る側によく伝わる内容だった。

 CCTVはC919を紹介するにあたって、中国が「完全なる知的財産権を持つ」と説明したが、中国メディアの今日頭条は6日付で、C919には国外のメーカーから調達した部品が多数搭載されており、国産化率はわずか50%だと指摘。それなのに「中国が自主開発した大型ジェット機と言えるのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 最初に記事は、C919に搭載されている「中国が自主的にイノベーションを行った」とする技術について紹介、例えば機体全体の設計、空力設計及び風洞試験、シミュレーション、および全体の組み立てなどを他国の力を借りずに中国の力で成し遂げたと説明した。しかし、通信ナビゲーションシステムや機体のアルミニウム合金、ランディングギア、フライトデータレコーダーはいずれもは米国企業の製品であるとしたほか、エンジンは米国企業とフランス企業の合併メーカーであるCFMインターナショナルの製品であると紹介した。

 主翼や尾翼は中国航空工業集団がデザインし、作り上げたと説明したが、多くの重要部品を外国製品に頼ったC919は果たして中国が自主開発した航空機であると言えるのだろうか。

 記事は、現在の世界の航空機市場はごく少数のメーカーによる寡占状態にあるとしたが、航空機に搭載されるすべての部品を自ら製造するメーカーは1社もないと指摘、例えばボーイングの60%以上の部品は海外メーカー製品であり、さらにその35%は日本で製造されていると説明、この道理に照らせば、C919も中国国産のジェット機であると言えるという見方を示した。

 航空機においては機体全体の設計こそが非常に重要だとされる。たとえ最も優れた部品を集めたとしても機体全体の設計が悪ければ優れた部品の能力が発揮できないどころか、飛ぶことすらできない場合もある。その意味では試験飛行に成功したC919は中国独自の旅客機だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)