近年の中国では一般市民のみならず、多くの企業が海外の不動産や企業に対して投資を行うようになっている。まるで1980年代にバブル景気に沸いた日本を見ているような光景だが、こぞって海外投資に走ることについては危険性はないのだろうか。

 香港メディアの鳳凰網は5日、「中国企業は海外の不動産への投資に熱くなり過ぎている」と伝え、このままではバブル当時の日本と同じ道をたどる可能性があると警鐘を鳴らす記事を掲載した。

 まず記事は、中国企業による海外投資は「まだ初期段階で始まったばかり」という指摘があることを紹介し、マクロ経済が今後も安定していれば「中国企業の海外投資はまだまだ拡大する見込みだ」と論じた。また中国政府は資本流出を防ぐために様々な制限を講じているものの、それでも中国企業の海外投資は衰えることなく拡大を続けており、2016年に中国企業が海外の「不動産」に投資した額は前年比50%増の330億ドル(約3兆7199億円)に達したと紹介した。

 続けて、中国企業による海外不動産への投資はまるで「1980年代の日本を連想させる」と指摘。バブル当時、日本企業が米国の不動産を購入したり、買収したりした金額は780億ドル(8兆7926億円)に達したと伝える一方、バブル崩壊によって当時の日本企業は購入した不動産を安値で売却せざるを得ず、多額の損失を被ったことを紹介し、「盲目的に海外の不動産を買いあさる中国企業はかつての日本と同じ道を歩むことになるかもしれない」と指摘した。

 さらに記事は、「日本という前例がある以上、中国企業や中国の投資家は警戒をお怠るべきではない」とし、そもそも海外の企業が資産を売りに出しているのは「何らかの問題が存在する可能性がある」と紹介、「海外の不動産への投資に熱くなり過ぎている」中国企業に対して、冷静になるよう呼び掛けた。

 中国では多くの人が不動産や株式などへの投資を行っているが、中国人は不動産投資において、利回りではなく、売却益を重視する傾向にある。だが、中国ではすでに不動産価格が大都市を中心に高止まりし、値上がりの幅も小さくなっており、売却益がさほど見込めない状況となっている。そのため、中国では海外の不動産を購入する動きが活発化しているが、そのせいでオーストラリアやカナダでは不動産価格が上昇し、現地の人びとの暮らしを圧迫しているとの指摘もあり、中国マネーの流入に対して反発の声も上がっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)