海外を訪れるときに煩わしく感じることの1つに通貨の両替や支払いがある。現在、中国人の多くは生活のなかで「アリペイ」や「WeChatウォレット」といった電子決済サービスのほか、日本で言うデビットカードのような機能を持つ「銀聯カード」などで支払いをしている。

 日本の商業施設や薬局チェーン店でも、中国人観光客は銀聯カードでの決済が可能であることが一般的だ。中国人にとっては便利で嬉しい話なのだろうが、そこに潜む危険もあるという。

 中国の国営放送局である中国中央電視台はこのほど、日本を訪れて銀聯カードで決済する際には注意しなければならないと伝える記事を掲載した。

 現在、日本では店舗だけでなく、ATMでも銀聯カードが使えるようになっているのだが、それに伴うカードのスキミング犯罪も多発しているとと伝えた。銀聯カードは日本の50万を超す店舗で使用でき、日本全国の半数以上のATMでも利用できるとしながらも、銀聯カードのスキミング犯罪の被害額が近年増加していることを紹介。犯罪組織はスキミングによって得た情報をもとに日本国内のATMで現金を簡単に引き出すことができることを伝えた。

 記事は、こうしたスキミング犯罪が多発している原因として、日本はICチップの入ったカードの普及が遅れていることを挙げ、犯罪組織が容易に偽造カードを作れる環境があると指摘。日本でもATMの改良機の普及によって安全面での対策を進めているが、記事は日本を訪れる旅行者自身が「カードをICチップ対応に切り替えること」、「暗証番号を適切に保管すること」などに注意すべきだと論じた。

 中国ではすでに銀聯カードは主流ではなくなっており、代わって電子マネーが生活に浸透してきている。それだけに決済をめぐる安全性を過信していて、カードの基本的な安全対策の意識が薄れているのかもしれない。日本は電子マネーの普及が遅れているうえ、カードの安全面での問題が生じているだけに中国に倣った発展を期待したいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)