中国メディア・今日頭条は3日、「日本の匠の精神は薬か、毒か」とする記事を掲載した。どんな薬も使い方を誤れば体にとって毒になる可能性を秘めている。現在の中国も「匠の精神」の扱い方を間違えれば、社会を後退させる可能性があると指摘しているようだ。

 記事は近ごろ、中国企業は日本の匠の精神をしっかり学ぶべきだという意見がある一方で、日本の大企業が相次いで経営困難に陥っていることから「匠の精神は毒であり、中国企業が学ぶ必要はない」という2つの矛盾した論理が交錯していると紹介。そのうえで「われわれが今学べと提唱されている匠の精神は、商売をしっかりやったうえで、製品をしっかりとしたものにすることがベスト。すなわち、匠の精神から有益な部分を吸収して、自らを高めることなのだ」と論じている。

 そして「匠の精神は確かに薬ではあるが、薬には『三分の毒』があるのだ」とし、「匠の精神」が抱える問題点を3つ列挙した。それは「匠の精神は商業的戦略思考が苦手」、「匠の精神を持つ者は、往々にしてレスポンスが遅い」、「匠の精神は常識を覆すようなイノベーション性に欠けている」というものだ。

 記事は「一生かけて1つの物作りに専念し、その道を究めて国宝級の人物になることは賞賛に値するものだ。しかし、有る企業が、特に大企業が過去の輝きに執着し、自分の得意とする分野や製品にすがり付き、自らに革命を起こそうとしないのであれば、早晩世の中をひっくり返すような革新にひっくり返されることになるのだ」と伝えた。

 匠の精神と商業的戦略思考は、決して真っ向から対立するものではない。今の中国に求められているのは、頑固一徹な職人を作ることではなく、地に足を着けてモノづくりに勤しむことのできる社会環境づくりなのである。そこに中国人が持つ商業的センスが合わされば、鬼に金棒だろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)