日中関係のギクシャクした状態が続く中で、両国において互いに対するネガティブな印象が蔓延している。一方、国の垣根を越えて協力、交流してきた人も数多く存在するのだが、そういった人たちに脚光が当たりにくいのが今のご時世だ。

 中国メディア・今日頭条は4月29日、かつて「地球のがん」とまで呼ばれた中国・内モンゴル自治区の砂漠緑化に情熱を注いだ日本人男性・遠山正瑛氏の功績を紹介する記事を掲載した。

 記事は遠山氏が1930年代に中国留学し、西部地域の農耕文化の研究を行ったほか、鳥取砂丘の農地化に成功した経験を持つと紹介。72年の日中国交正常化が実現するとすぐに中国に渡り、砂漠の調査を実施したと伝えた。そして、91年にはすでに84歳となっていた遠山氏が同自治区のエンクベイ砂漠地域の緑化を決意し、2004年に死去するまでの間、1年の大部分を現地で過ごして植樹活動を続けたとしている。

 そのうえで、同氏に感化されてプロジェクトに参加する日本人ボランティアが累計7300人にのぼり、現地の砂漠に植えた樹木は計340万本に達したと紹介。土地が荒れ果てて作物の育たない状態だった「地球のがん」が、今では緑が生い茂り、牛や羊が至るところにいる場所へと変化したと伝えた。

 記事は「遠山氏の精神は後世の人びとに影響を与え続けており、より多くの荒涼とした場所に緑化と平和の道を芽吹かせているのである」と結んだ。

 この記事は、特に多くのネットユーザーが注目した。様々な感想が寄せられており「日本にも良い人はいる。遠山さんに敬意を示そう」とのコメントには、多数の賛同が集まった。また「中国人は目先の金銭にとらわれ、このような利益の少ない苦しい事業をする人はいない。わが国の企業経営者は、この日本の有人に学ぶべきだ」との意見もあった。

 名誉のためにやるわけではない。利益のためにやるわけでもない。そして、日中友好を目的にやるわけではない。遠山氏の活動の大前提にあったのは、砂漠化を食い止めよう、環境を改善しようという情熱だ。ネットユーザーの指摘するとおり、目先の利益ばかりを追いかけていては一向にたどり着けない境地なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)