中国と日本には歴史問題や領土をめぐる対立など、多くの問題が山積している。だが、それでも日本のアニメや漫画を好み、日本を旅行で訪れたいという中国人は決して少なくない。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本への旅行を好む中国の若者が数多く存在する背景について考察する記事を掲載した。

 記事は、実際に長崎市を訪れた中国人の若者の意見を取り上げている。この中国人は小学校の時の授業で、「米国に落とされた1個の原子爆弾によって、100年は草1本も生えなくなった」と聞いたと紹介。戦争によって甚大な被害を受けた長崎が現在どのようになっているのか、街並みや人びとに被害の痕は見られるのかを知るため、街の中を散策した様子を写真で掲載した。

 続けて、この中国人は「長崎の街からは戦争の爪痕がほとんど見られず、街はとても美しく、過去の出来事を想像し難いほどだった」と記した。街並みの特徴として横丁には家や店がぎっしり詰まっていて、物も整然と置かれ少しも空間を無駄にしていない日本独特のスタイルがあると評した。また、路面電車が醸し出すレトロな雰囲気も街並みに合っていて美しく、「これぞ日本の風景」とした。

 さらに、日本には「中国の唐朝のころの文化などが今なお生き続けている」とし、日本を訪れることで、「中国が過去の文化を忘れ、放棄している」ということを認識させられ、恥ずかしく感じさせられると指摘した。

 旅のまとめとして記事は、「たとえ許すことのできない歴史があっても、惹きつけられるものは惹きつけられる」と伝えつつ、現在の長崎の街からは原爆のあとは見られず、温和で柔らかい日本を楽しむことができたと主張した。

 記事が長崎を紹介しつつ、「日本への旅行を好む中国の若者が数多く存在する背景」を考察しているのは、長崎が原爆の被害を乗り越えたように、中国人の若者も歴史問題を乗り越えて日本を客観視すべきというメッセージだろう。事実、中国では近年、歴史問題だけを理由に日本をひたすら憎むのではなく、日本を客観的に知るべきだとする「知日」という動きも広まっており、前述のとおり、若年層の間ではアニメや漫画などを通じて日本文化のファンになる中国人も増えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)