自分の健康に関心を抱かない人はいないだろう。自国では不可能な医療、より安いコストの医療を求め、外国に渡航して治療・診療を受けることを医療ツーリズムと呼ぶが、中国人の間で日本旅行がブームになるなか、日本への医療ツーリズムに興味を示す中国人富裕層が増えてきている。

 日本政策投資銀行の報告によると、2020年には医療を受けることを目的に訪日する中国人だけでも年間31万人に達する見込みで、医療ツーリズムの潜在市場規模は5507億円に達するとみられている。

 では、中国人が日本への医療ツーリズムに惹きつけられる理由はいったいどこにあるのだろうか。中国メディアの今日頭条は21日、中国人患者の訪日医療ツーリズムの体験談を掲載した。

 記事は、複数の中国人患者の事例を掲載している。たとえば、5cm大の悪性腫瘍摘出のため訪日したという女性は、2017年3月28日に来日、29日に主治医と面会、30日に検査、31日に手術、3日後に帰国、という日程で夫と共に来日したという。彼女にとって、日本で手術を受けることはとても意味のあることだった。なぜなら、「日本の医療水準の高さを信じていた」からだという。

 別の患者は、肺の腫瘍と血管の病気を併発し、中国では手術不可能と診断された。これは生きるためには国外で手術を受けることが唯一の道であることを意味する。この中国人は米国で手術を受ける選択肢もあったというが、最終的に日本での手術を選んだ。なぜなら、「米国で手術を受けるより日本で受けたほうが安価だから」と紹介。日本は医療技術が高いうえに費用が相対的に安いと指摘し、たとえばPET-CTでも「上海で検査を受けると7000元(約11万935円)は必要なのに対し、日本では5000元(約7万9239円)以内ですむほど安い」と紹介した。

 手術以外にも、「繰り返し来日し、検査を受け、薬を受け取って帰国する」中国人もいると紹介。中国では新薬が承認されるまで5年は必要だが、この中国人が必要とする薬は中国ではまだ承認されていない。日本では最長3カ月分の薬しか処方できないので、この中国人は「年間4回中国と日本を往復し必要な薬を手に入れている」と紹介した。

 医療ツーリズムにかかる費用は決して安くはないが、中国の富裕層は日本の医療サービスに魅力を感じるようだ。中国ではいまだに医者や看護師に賄賂を渡さなければまともな医療を受けることができないが、日本では賄賂など渡さなくとも誰でも質の高い医療サービスを受けることができるというのも一因だろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)