日本を訪れた中国人観光客が日本の街で驚くことの1つに、ゴミ箱がほとんど見当たらないという点があるようだ。しかし、台湾・高雄にある公園は、ゴミ箱がないことで日本人観光客を驚かせているという。台湾メディア・聯合新聞網が20日伝えた。

 記事は、「140ヘクタールの面積を持つ高雄の旧鉄橋湿地公園では、ゴミ箱が1つも見当たらないにもかかわらず、全体が清潔に保たれている。ある日本の上場企業社員が観光に訪れた際に驚き、賞賛した」と紹介した。そして、同公園が清潔に保たれている理由について「ゴミを家に持ち帰る運動」が展開されていることを挙げている。

 記事によれば、同公園の周囲には湿地が広がっていて動植物の生態が豊富であり、現地の新たな観光スポットになっているとのこと。観光客が増えるにつれてゴミの数も激増し、もともと設置されていたゴミ箱は常に入りきらないほどの状態で、野犬がゴミを漁っていたという。環境悪化を懸念した公園が、昨年公衆トイレを除くすべてのゴミ箱を撤去することを決定したのだ。

 現地の関係者によれば、観光客の公徳心を試すこの措置は、当初思うような成果が出ず、誰かがゴミを捨てて帰ると程なくゴミの山が出来上がる有様だった。しかし、取り組みを続けた結果、1年あまりが経過した現在では放置されるゴミがどんどん減っているという。

 記事は、同公園ではゴミ箱を設置しないでごみの持ち帰りを呼びかけるとともに、犬の散歩させる飼い主のためにビニール袋を提供する場所も設けていると紹介。「観光客が進んでゴミを持ち帰るようになれば、きっと台湾の至るところが清潔になるはずだ」との関係者の話を伝えている。

 当然のことながら、ゴミを持ち帰るマナーは日本人でなければ身に着かないというものではない。この公園のように、当初は効果が出ないで悩むこともあるだろうが、それに負けずに地道な啓蒙活動を続けることで、必ずや良い習慣が広がっていくのである。すぐに結果を求めてはいけない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)