中国の国内総生産(GDP)は2010年に日本を抜き、世界第2位となった。また、15年の名目GDPは中国が約11兆ドル、日本は約4兆ドルであったため、ドル換算では中国経済の規模はすでに日本の3倍弱に達しており、しかも今なお成長を続けている。

 しかし、15年の1人当たりGDPでは中国が約8140ドルであるのに対して、日本は約3万2478ドルとなっており、依然として日本が大きく上回っている。したがって、中国はGDPでは日本を抜いたとしても、国民の豊かさという点ではまだまだ日本を超えたとは言えないとする見方が存在する。

 しかし中国メディアの今日頭条は7日付で、「中国が日本経済を超えたのは単なる小さな目標をクリアしたに過ぎない」とし、中国経済は世界のリーダーになってこそ「成功を収めたと言える」と主張した。

 記事は日本と中国の一人当たりGDPは、現状では「はっきり言って比べ物にならない」としたが、しかしアベノミクスの不振に加えて英国のEU離脱は日本経済に深刻な影響を与えることになると説明し、これにより中国は日本経済を完全に超え、世界のリーダーに一歩近づくことになるという見方を示した。

 英国のEU離脱が日本経済に与える影響については各メディアが報道しているとおりだ。英国のEU離脱後に英国経済が失速し、それがEUに波及した場合、日本経済には英国・EU向けの輸出減少や、不確実性の高まりにより、現地での日系企業の投資が減少、また英国・EUから日本への投資も減少すると考えられている。

 また、英国のEU離脱により円高が進行・定着した場合に、輸出金額・海外現地法人からの配当・ロイヤリティが減少することにより企業収益が減少する、また輸出競争力が低下するとも考えられている。

 では英国のEU離脱により日本経済に最悪の影響が及ぶと仮定して、この出来事が中国を真の経済強国に成長させるということになるのだろうか。経済の強さとその国が有している真のイノベーション能力とには密接な関連があるというのが一般的な見方であり、確かに日本経済にとって英国のEU離脱はマイナスの影響が大きいものの、中国に求められているのは日本経済の失速を期待することではなく、自国の技術力を向上させることではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)