(73)“阿Q被搀进一所破衙门”

 寝ぼけ眼のまま阿Qは城内へ引っ立てられた。

  到进城,已经是正午,阿Q见自己被搀进一所破衙门,转了五六个弯,便推在一间小屋里。他刚刚一跄踉,那用整株的木料做成的栅栏门便跟着他的脚跟阖上了,其余的三面都是墙壁,仔细看时,屋角上还有两个人。(城内に入った時は、もう正午だった。阿Qは自分がとある古ぼけた役所に両脇から抱えるようにして連れ込まれ、5、6回角を曲がったと思うと、小さな部屋に押し込まれたのがわかった。彼がよろけたとたん、丸太で作った格子戸が足のすぐ後ろで閉まった。ほかの三方はみな壁で、よく見ると、部屋の隅に先客が二人いた。)

(74)“阿Q并不很苦闷”

 阿Qは心臓がドキドキしていささか落ちつかなかったが、かと言って、くよくよしている様子は見られなかった。というのも、ねぐらの土地廟の寝室にしても、この部屋ほど居ごこちがよいというわけではなかったからである。

 かの二人の先客もどうやら田舎者らしく、ぼつぼつ彼と口をきくようになった。一人は挙人旦那に彼の祖父が未納のままにしてきた小作料のことで訴えられたのだと言い、もう一人は何で捕まったのかわからないと言った。

 二人も阿Qに尋ねるので、阿Qはきっぱりと答えた。

  “因为我想造反。”(おいらは造反しようとしたからさ。)

(75)“这人一定有些来历”

 午後になると、阿Qは格子戸から引っ張り出された。大広間に行くと、正面に頭をてかてかに剃った老人が腰かけていた。

  阿Q疑心他是和尚,但看见下面站着一排兵,两旁又站着十几个长衫人物,也有满头剃得精光像这老头子的,也有将一尺来长的头发披在背后像那假洋鬼子的,都是一脸横肉,怒目而视的看他;他便知道这人一定有些来历,膝关节立刻自然而然的宽松,便跪了下去了。(阿Qはこの人は坊さんかなと思ったが、見ると入口の方に兵士が並んで立っているし、両側には十数人の長衣を着た男が立っている。その老人と同じように頭をてかてかに剃った者もいるし、またあのニセ毛唐と同じように一尺近く伸びた髪を肩に垂らしている者もいて、みな凶悪な人相をしていて、目を怒らして睨みつけるように彼を見ている。そこで彼はこの老人はきっといわくのある人物に違いないと察し、たちまち膝の関節がひとりでにへなへなとなり、思わずひざまずいてしまった。)

(76)“站着说”不要跪!”

 長衣の男たちが怒鳴りつけた。

  “站着说”不要跪!”(立ったままで答えるんだ!ひざまずいちゃいかん!)

 阿Qはわかったつもりだったが、どうしても立っていられず、ひとりでにうずくまっていき、とうとうそのままはいつくばってしまった。

  “奴隶性!……”(奴隷根性!……)

 長衣の男がまたさげすむように言ったが、もう立てとは言わなかった。(執筆者:上野惠司)(イメージ写真提供:123RF)