日本経営管理教育協会が見る中国 第458回--宮本邦夫

 かつて中国に進出したが、経営がうまくいかず余儀なく撤退したという企業も少なくない。だが、中国が「世界のマーケット」と言われるようになって、一度は撤退した企業でも、再度進出するところも出てきている。特に、飲食業、サービス業では、中国に再進出するケースが良く見られるようである。中国への再進出に当たっては、失敗を繰り返さないためにも、最初の進出の時よりも、より慎重を期さなければならないのは当然である。そこで、中国への再進出に当たっての留意点について、以下で検討してみよう。

■前回の失敗の徹底的分析

 中国への再進出に際して、まず行うべきことは、前回の失敗の原因を徹底的に分析し、その分析結果に基づいて再進出のプランニングを立てることである。原因分析では、まず原因の種類をよく理解することが肝要である。一般的に言って、原因は、因果関係の強弱によって真因、主因、近因、遠因の4つに分けられるが、間違っても、遠因を真因と受け取って、誤ったプランを立案しないことである。とにかく、関係者が知恵を出し合って徹底的に失敗の真因を追究することである。そして、真因を排除するかたちで再進出のプランニングを行うことである。

■状況適応型の戦略

 中国への再進出プランづくりで注意しなければならないことは、がんじがらめの固定的なプランにしないことである。逆に言えば、状況の変化に柔軟に対応できる戦略案にするということである。何分にも激変の時代であるから、何が起きるか予測できない。中国においても、いろいろな状況の変化が起こることを覚悟しなければならない。このため、起こりうる変化をある程度予想して、そのような状況になったら、どのように対応していくかを組み込んだ戦略案を立てておくのである。

■よきパートナーまたはアドバイザーの活用

 中国への再進出には2つのパターンがある。1つは、中国の企業と合弁会社を設立するケースと、もう1つは独資のケースである。前者の場合は、合弁の相手となるパートナー会社を慎重に選ぶことである。特に、経営者の資質・力量・経営理念などをよくチェックして納得のうえで決めることである。後者の場合は、孤軍奮闘することになるわけだが、失敗を回避するためには、外部の知恵を借りることが大切である。例えば、中国で活躍しているマネジメント・コンサルタントに依頼して、何かにつけて相談し、必要なアドバイスを受けるようにすることである。(執筆者:日本経営管理教育協会・宮本邦夫氏)(写真は、上海南京東路に吉野屋。日本経営管理教育協会が提供)