日本のバブル崩壊とその後に叫ばれるようになった「失われた20年」というフレーズは、多くの中国人に日本経済の衰退をイメージさせるものとなっている。

 しかし、「経済成長が失われた」はずの日本で多くの中国人たちが旅行を楽しみ、またクオリティの高い日本製品を爆買いするという現象も生じており、これらは相互に矛盾しているように感じる中国人もいるだろう。中国メディアの今日頭条は3月31日付で、バブル経済崩壊後の日本経済は「中国人に見えないところで繁栄に向かっている」と論じる記事を掲載した。

 まず記事は、現在でもバブルを体験した日本人の多くがバブル景気を恋しく思っていると伝え、なぜなら当時の日本は「お金をいくら使っても減っていかない」ような状況だったためだと指摘。事実、現在の日本の国民総所得(GNI)はバブル当時に比べて大きく減少しており、日本国民の所得水準は「現在の中国を上回っているものの、バブル後は減少傾向にある」と論じた。

 また、日本ではバブル崩壊によって倒産に追い込まれた企業は少なくなく、なかには日本を代表するような大手企業もあったと指摘する一方、バブル崩壊後を乗り切り、さらに成長を続けている企業も多いと紹介。たとえば、コンビニ最大手のセブンイレブンの名前を挙げ、中国国内でも店舗を拡大し、中国人消費者にとってもすでに馴染み深い存在となっていると指摘し、バブル崩壊によって日本企業が再起不能なダメージを受けたという見方は間違っていると論じた。

 さらに記事は、近年は日本の家電メーカーに元気が無く、韓国や中国のメーカーが著しい成長を遂げていることを伝える一方で、「中国メーカーの製品にはほとんどすべてに日本企業の部品が搭載されている」と指摘。中国人消費者が日本製品の不買を叫ぶことで心理的な「慰め」にはなるかもしれないとしながらも、日本製品の徹底的な不買などもはや不可能な状況であると指摘、日本企業の家電分野における発言権は大きいことを指摘した。

 また、トムソン・ロイターが2015年に発表した「Top 100 グローバル・イノベーター 2015」では、日本から世界最多となる40社が選出されたが、中国からは1社も選ばれなかったと紹介、日本企業は失われた20年の間に研究開発への投資と努力を継続してきたことがこの結果からも見て取れると指摘。「失われた20年」という言葉は、中国人に「日本の没落」や「日本の衰退」を連想させるものの、実際には経済的な競争力は失われていないと指摘し、中国人旅行客が日本の姿と「失われた20年」という言葉に矛盾を感じるのは、そのせいだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)