2016年3月26日に北海道新幹線が開業すると同時に函館市内で雨傘の無料貸し出しサービスが始まったが、用意された2300本の雨傘の未返却数は16年末までに2100本に達し、結果として17年度いっぱいで同サービスの廃止が決まった。

 中国の刑事訴訟法には「疑罪従無」という原則が採用されている。これは、ある事件に関して、証拠が不足しているなら被告人を罪に定めてはならず、検察側は不起訴の決定をしなくてはならないという原則だ。

 香港メディアの鳳凰評論が1日付で掲載した記事は、日本のネット上では「函館市で雨傘が返却されないのは、中国人が持ち去ったため」といった声が上がったことを紹介し、日本のネット上の声は「疑罪従有」であると指摘し、証拠もないのに中国人に嫌疑をかけるのは間違っているという見方を示した。

 記事は、台湾メディアの「自由時報」が「日本人の民度は高く、公徳心を持つことで名高い」とした後、「日本のネットユーザーたちはみな、これらの雨傘は恐らく中国人旅行客たちに持ち去られたのだろうと見ている」と報じたと紹介した。

 つまり、日本のネットユーザーの見方は、日本人は公共マナーが良いため雨傘を借りたら返却するはずだが、中国人旅行客たちはそうではないうえ、北海道は中国人旅行客にとって人気の観光地であり、「おそらく中国人が借りたまま持ち去った」という推論になる。だが記事は、この推論は「疑罪従有」であるとし、「盗人が逃れるために、他人を盗人呼ばわりする行為である」と批判した。

 台湾メディアの自由時報によるこの報道については、中国共産党機関紙・人民日報系の環球網も取り上げている。しかし環球網が掲載した記事は、日本のネットユーザーたちは雨傘の紛失は個人のモラルと関係があるとみており、この事件に関してあるサイトに最初に投稿された日本のネットユーザーのコメントのなかには、この出来事と中国人とを結びつける内容のコメントは1つもなかったと伝えている。雨傘を借りたまま返却しなかった人の国籍は今となっては不明だが、こういう時に中国人が疑われてしまうというのは、やはり普段の行いや振る舞いのせいなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)