日本と中国の間で過去に起きた出来事を理由に、中国では日本に対して敵対心を抱く人がいるのは事実だ。その一方で、中国の若者の多くが日本のアニメや漫画などの文化に関心を抱いているのも事実であり、中国人の対日観は一様ではなく、世代によって大きく違うのが現状と言える。

 中国メディアの網易はこのほど、「一度も日本に行ったことがない中国人の若者がなぜ日本の文化に興味を抱くのか」を考察する記事を掲載した。

 記事は、「日本を理解してすぐに好きになる中国人は少ない」としながらも、日本のアニメやテレビドラマ、映画などを通じて、中国の若者たちは「徐々に日本の文化を好きになっていく」と指摘。また、比較的平和な時代である1980年代以降に生まれた世代、いわゆる「80後」、「90後(1990年代生まれ)」などの若者たちは過去の歴史を直接的に知らないため、日本の文化に接することで日本に興味を抱くようになっていると伝えた。

 続けて、日本のアニメに共通する特徴として「青春」の2文字を紹介し、ただ単に見る人の心を捉えるだけでなく、自由を模索し、自分の理想を追い求める内容も「中国人の若者に受け入れられる」理由として伝えた。また何度も再放送を繰り返す中国のテレビドラマとは違って、日本のテレビドラマやアニメは感情表現が細やかで、人間らしさとは何かを考えさせるなど、幅広い角度から様々なテーマで構成されていることも中国人の若者の心を捉える要因となっていることを紹介した。

 また記事は、日本文化のエッセンスはアニメやテレビドラマだけに見られるものではないと指摘。多くの中国人旅行客が血眼になって買い漁った温水洗浄便座や圧力鍋、化粧品など、どのような分野であっても日本人は匠の精神を発揮しているとし、日本製品の品質の良さも中国人にとっては日本文化の魅力の1つだと論じた。

 近年は中国で日本を客観的に知るべきだとする「知日」の動きも広まっている。歴史問題の影響がなければ中国人は日本文化に対してさらに魅力を感じていたであろうが、歴史問題があってもアニメや漫画などを通じて日本に好感を持つ人がいるのは事実であり、この点から言えばアニメや漫画は日本の強大なソフトパワーであると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)