中国では秦の始皇帝の命を受けて不老不死の薬を求めて日本に渡った徐福という人物が日本人の祖先だと信じている人が少なからず存在する。伝説では、徐福は紀元前3世紀ごろ、数千人の若い男女を従えて東に向かい、その地で王となって秦には戻らなかったとされている。

 徐福にまつわる伝承は日本各地に残されていることから、徐福が日本に到達していたのは本当かもしれないが、徐福と数千人の若い男女が日本人の祖先であるというのは語弊のある主張だと言えよう。

 中国メディアの東論文化は30日、中国では徐福と徐福が従えていた若い男女たちが日本人の祖先であると主張する人がいると紹介する一方で、「果たしてこの説は本当なのだろうか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、徐福とその一行が日本人の祖先であるとする説に対し、染色体による分析を持ち出し、日本人の祖先は徐福とその一行ではないと主張。分子人類学に基づく人類のY染色体ハプログループで分類すると、日本人はハプログループD1bというY染色体を持つ中央アジア付近に住んでいたグループが日本に渡り、独自の発展を遂げた後に、東アジアにルーツを持つハプログループOの弥生人と融合した民族が日本人であると指摘した。

 さらに、徐福とその一行が日本人の祖先であるならば「日本語に中国語の影響が見られなければならない」と指摘する一方、漢字は日本でも使用されているが「日本語と中国語の文法はまったく異なる」と指摘。染色体から見ても、言語面から見ても「紀元前3世紀ごろに不老不死の薬を求めて日本に渡った徐福という人物が日本人の祖先だ」とする説は正しくないと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)yigeyinghua/123RF.COM)