衝突時の衝撃を吸収するためにバンパー内部に設置される「リインフォースメント」を、コスト削減のために日系車が設置していないとして、中国には日系車の安全性を疑問視する見方がある。中国の愛国者たちが日系車の不買を主張するうえで、日系車はリインフォースメントがないため安全性に劣るなどと、「材料」とされることも多い。

 中国メディアの今日頭条が13日付で掲載した記事は、理論的に言ってリインフォースメントの有無は衝突時における乗員の生命の安全とは関係がないと論じている。

 記事は、1100kgの剛性ブロックに時速52kmで車が衝突したと想定し、この時に車両全体とリインフォースメントがそれぞれどれほどの衝突エネルギーを吸収するかを計算した。

 この計算によれば、車両全体は114.4KJの衝突エネルギーを吸収するのに対して、リインフォースメントは7.3KJだと説明、つまり時速52kmという速度でリインフォースメントが吸収するのは車両全体が吸収する衝突エネルギーのわずか6.4%に過ぎないと論じた。

 この点について、「高速で生じる事故において、リインフォースメントが吸収する衝突エネルギーが乗客の安全を保証するというのは明らかに非現実的な見方だ」と指摘、むしろ車体構造のほうが高速衝突時におけるエネルギーを吸収するためのはるかに重要な役割を果たしているという見方を示した。

 また記事は、リインフォースメントの目的は低速衝突時において車体の変形を少なくすることにより修理費を安く抑えることにあると説明し、乗客の安全に対して大きな作用を発揮することはないと論じた。

 ある車両が衝突時における乗客の安全を保証できるかどうかに配慮するのは正しいことだが、リインフォースメントの有無で日系車の安全性を論じるのはナンセンスだ。1年間における交通死亡事故者数が20万人以上とも言われる中国では、まず運転マナーに関する徹底的な教育を施す方が優先順位として高いのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)