中国国営テレビ局のCCTVが15日の「消費者権利保護デー」特別番組で日本産食品の危険性を煽り立てたことで、中国国内のメディアやネット上において「日本の食品たたき」が流行しだした。理由や根拠のある批判には聞く耳を持つべきだが、あることないことを並べた攻撃には呆れ返るばかりだ。

 中国メディア・今日頭条が17日に掲載した「帯相機去旅行」というアカウントの記事は、まさに後者である。「10枚の写真が物語る、日本の各大型市場がどれほど寂れっぷり」と題した記事の1枚目にまず、北海道・函館朝市の様子が映っている。記事はこれを「日本の放射能拡散地域の市場」として紹介しているのだ。ちなみに中国政府は北海道産の食品を輸入禁止の対象とはしていない。

 また、別の写真では宮城県の高級海鮮商店と称し、敷き詰めた氷の上にカニやたらこなどをディスプレイしている様子を紹介。「誰も買う人はいない」としているが、写真に映っているのは商品が並んでいる部分だけで、周辺に客がどれほどいるのか、さらにはここが宮城県なのかどうかも分からない。

 さらに「東京にあるクジラ肉を売る市場。店主が肉を切っているが、誰も買いに来ない」と説明した写真に映っているのは明らかにクジラではなく、マグロのブロック。従業員しか入らない内部でマグロを解体しているところに、そもそも客が入って来るはずがないのだ。ほかにも、札幌の二条市場をわざわざ「福島県の市場」と紹介していた。

 もはや作者本人が撮影した写真かどうかも疑わしいが、どの写真も閑散とした印象を覚える。写真を見た中国のネットユーザーからは「品物がきれいに並んでいるから、ものすごい早い時間に撮影したのではないか」「写真を撮る時間が間違っている」といった意見が出た。もっとも、そう疑われても仕方ないだろう。北海道を「放射能拡散地域」にして、マグロを「クジラ」にしてしまうのだから。

 この記事は、CCTVの番組がなければきっと出現しなかっただろう。番組の内容に便乗して中国のネット上にこんな情報が沸き出す状況には、嘆息せざるを得ない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)