東アジアの情勢変化に、各国・地域の観光業界は大きく翻弄される形となっている。現在厳しい状況にあるのは、いずれも中国大陸との関係をこじらせている韓国と台湾だ。いずれも大陸からの観光客が急減しており、過度の「大陸観光客依存」からの脱却が課題となっている。

 台湾メディア・聯合新聞網は9日、台湾のシンボル的な建築物である「台北101」が、大陸からの観光客減少によって日本や韓国の観光客呼び込み策を打ち出しているとする記事を掲載した。

 記事は「台湾での政権交代後、大陸からの観光客数は『急冷』状態となり、台北101を訪れた人の数も2015年の180万人から昨年は117万人まで急減した」と紹介したうえで、台北101の周徳宇董事長が「大陸客は冬眠期に入った。一方で日韓は種をまいて耕す時期に入っており、積極的に「タワー外交」を展開すると語ったことを伝えている。

 そして、台北101が東京スカイツリー、東武ワールドスクエアに続き、大阪の「あべのハルカス」と協力契約を結んで連動イベントを開催すると紹介。周董事長が、「昨年台湾を訪れた日本人観光客数は190万人近くにまで達した。そのうち東京から来る人が多いことから、今年は関西地方の日本人客を積極的に開拓したい」と語ったとした。

 また、韓国人観光客も昨年対前年比35%増を、今年1、2月に至っては前年同期比40%増を記録、その多くが台北101を訪れるという。そこで、日本と同時に韓国とも積極的な協力関係構築を進めていくとのことだ。

 大陸からの観光客が大きく減少してしまったことが大きな打撃になることは間違いない。一方で、集客源の多様化が進むことによって、リスクをある程度分散させることができる。いかにピンチをチャンスに変えていくかが、台湾にしろ韓国にしろ観光業が抱える大きな課題の1つと言えるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)