日本は米国と並ぶ「養子大国」である。毎年8万件を超える養子縁組が成立しているというが、養子縁組の捉え方は米国とも、そして文化の近い中国とも違うようだ。それは、「成人男性を養子として迎える」日本ならではの習慣に表れているが、中国メディアの界面は2日、日本のこの「奇異な習慣」が広まっている理由を考察する記事を掲載した。

 記事はまず、日本と米国、そして、中国の3カ国の養子縁組の実態を比較した。日本よりも養子縁組の多い米国では、ほとんどが血のつながらない子どもを引き取り、里子として育てる、いわば「善行」の一環という捉え方だという。中国にも養子の習慣はあるが、養子は子ども、それも、乳児が多く、子どものいない夫婦が「家名存続」のために養子を迎えるケースが主だ。一方の日本が独特なのは、養子の98%が「20代男性」であることだ。

 では、日本での養子にどのような目的があるのだろうか。記事は、中国と同様「家名存続」という側面もあるものの、主な理由は「家族経営の企業存続」にあると紹介した。家族経営の企業は長く続かないことが多いが、日本には家族経営の老舗企業が非常に多く、しかも、家族経営のほうが収益が良い傾向があるのだという。

 家族経営の成功と成人の養子縁組の多さはどのような関係があるのだろうか。記事は、戦前の民法は家督相続を長男に限定したため、息子のいない家庭や息子がいても家業を継承するには不適切とみなされた場合は養子をとることが普通であったと紹介。戦後は女性でも財産を引き継げるようになったものの、「婿養子」の習慣は普遍的な現象として残ったと説明した。

 また、近年では、自ら養子になることを望む若い男性がおり、将来の発展に優秀な人材を確保したい企業と利害が一致しているとのだという。そればかりか、養子の座を狙って社内でし烈な競争を繰り広げることさえあり、社長の実子にも刺激となり企業にとってはプラスとなることが多く、よって日本では家族経営の企業は成功しているとして、婿養子の習慣について家族経営の継続には役立っていると高く評価した。

 現行の民法では家制度が廃止され、家督相続人確保のための婿養子制度は、法律上廃止されている。それでも養子縁組が多いのは、やはり自分の同族に会社を継承させたいという人としての自然な感情なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)