今の中国は「製造大国」ではあるが「製造強国」ではない。「大国」と「強国」の差は何か、どうしたら「強国」になれるのかの議論が繰り返されているが、日本の製造業からヒントを得るべし、という意見が数多く見受けられる。

 中国メディア・今日頭条は1日、「日本の製造業が『中国製造2025』に与える啓示」とする記事を掲載した。中国政府は2025年までに「製造強国」入りを目指しているが、そのうえで日本を参考にすべき点を改めて考えてみようではないか、というのがこの記事の趣旨のようである。

 まず、「モデルチェンジはそれ自身が目的ではなく、企業の世界的な競争力向上が目的であると心得、強みのあるビジネスモデルや経営手法を作ることが大切」という点を挙げた。日本の家電企業はリソースを新興産業に集中させており、中国の製造業も進んでハイテクや付加価値の高い新分野へと転換を図る必要があると伝えている。

 次に挙げたのはやはり「匠の精神」だ。日本の製造業を強くした大きな理由の1つが良い物を追求し続ける匠の精神であり、その精神を実践し、技術者を大切にすることで技術やものづくりに妥協のない企業文化が生まれ、優れた製品が生産できるようになるとした。

 さらに、ユーザーエクスペリエンスやアフターサービス能力の向上も必要であると指摘。「中国の製造業が追い求めるべきは、ユーザーが温かみを感じる心のこもった製品だ」と説明した。そして最後に「ある小さい分野に注目し、精力を注いで技術を磨くこと」を挙げた。「成功している中小企業は、顧客とのコミュニケーションのなかで、日々多様化するニーズから市場の隙間を見つけることに長けているのだ」説明している。

 参考になる点は多々あるようだが、中国の製造業が持つべき心得は実は非常にシンプルかもしれない。それは、目先の利益に飛びつかず、じっくり構えて時間をかけることだ。中国ならではの勢いの良さと同時に、先を見据えた取り組みができるようになれば、中国はあっという間に「製造強国」となることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)