バブル崩壊以降の日本の経済状況についてしばしば「失われた20年」、さらには「失われた30年」と称されることがある。「失われた」という言葉通り、ネガティブなイメージが付きまとうが、その中にポジティブな要素を見出す人もいる。中国メディア・捜狐は26日、「日本は『失われた20年』で豊かになり、生活の質が高まった」とする記事を掲載した。

 記事は、日本の社会や経済について専門家が論じる際、「失われた20年」という言葉で日本の衰退や没落を表現するのが往々にして好まれると紹介した。その一方で、「『失われた20年』を経験した日本は依然として平均寿命で世界トップクラス、インターネットの通信速度も世界の上位にあり、テレビはすでにデジタル化され、高速道路、鉄道、航空の交通ネットワークも他国が及ばないほど充実している」説明している。

 さらに、日本人の労働生産率も大幅に向上して平均労働時間も低下、余暇が増えたことで生活の質が高まったとしている。また、この20年で日本企業は絶えず海外投資を続け、全世界に存在する海外資産が、日本国民の収入を支えてきたと紹介。家庭というミクロなレベルで見ても、日本なおも豊かな社会であり、不動産を除く金融資産の蓄積は決して停滞していないどころか顕著な伸びを見せているのだと論じた。

 記事は「日本の『失われた20年』の現象は、簡単に言えばGDPによって定義されたもの。GDPを忘れ、労働生産性、生活の質、海外資産の蓄積、家庭の豊かさというパラメーターで見れば、『失われた20年』を経てもなお日本が豊かな社会であり続ける理由を理解することは難しくないのだ」と結んでいる。

 急速な経済成長を続けてきた中国では、計画性や将来性を考慮せず、経済成長率だけを追いかける「GDP至上主義」の弊害を生んだ。この文章も、「GDPだけにこだわっていたら、見方を誤りかねない」ことに対する示唆が含まれている。GDPも当然重要な指標の1つであるが、さまざまな指標や角度から総合的に判断する姿勢が必要なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)