中国江蘇省蘇州市の女性の歯科医がこのほど、日本人の患者の治療を行うにあたって「麻酔を少なくしてやった」とネット上でつぶやき、物議を醸している。中国メディアの新京報は25日、女性歯科医の取った行動は愛国ではないばかりか、医療倫理にも反していると批判した。

 報道によれば、蘇州市在住とされる中国人女性の歯科医は、患者とみられる日本人男性のパスポートの写真と、抜いた歯の写真をインスタントメッセージ上で公開した。女性歯科医の行動は中国のネット上で急速に広まったが、その行為の是非について中国のネットユーザーから批判の声が集まった。

 新京報は、中国ではケンタッキーフライドチキンの排斥のほか、同胞であるはずの中国人の日系車を壊したり、日本のホテルの水道の蛇口を開けっ放しにしたりなど、これまで愛国の名のもとにさまざま行動が取られてきたと伝える一方、こうした行為はいずれも愛国的行動ではないと指摘。

 また、女性歯科医の行動について「公共道徳に反すると同時に、中国人同胞の権益を損なっている」としたうえで、その愛国行為は「犯罪」であると指摘。さらに、ネット上で騒ぎが大きくなると女性歯科医が「すべて冗談だった」などと言い訳したことを紹介する一方で、「仮に冗談だったとしても、患者のパスポートをネット上で公開するのは医師としての倫理に反するものだ」と論じた。

 続けて記事は、女性歯科医の行動に対し、ネット上では一部で「よくやった」などと喝采を叫ぶ人もいたと紹介する一方、こうした人びとは歴史と現実の区別がついていない人であり、その愛国心はあまりに浅いと主張。女性歯科医の行動は愛国という行為を「汚すものである」と批判した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)