人間の特徴や性質には、先天的なものと後天的なものがある。そして、遺伝子に関連する先天的な性質よりも、家庭環境や食生活、教育といった後天的な要素による性質のほうが圧倒的に多い。現代の国、地域、民族が持つ文化や習慣も、歴史的に見ればほとんどすべてが後天的なものなのだ。

 中国メディア・今日頭条は24日、「中国人はどうして匠の精神を捨てて来てしまったのか」とする記事を掲載した。記事は昨今「匠の精神」という言葉が中国でもてはやされており、「ドイツに学べ、日本に学べ」との声が日常的に聞かれると紹介。一方で、「実はその起源は中国にあったのだ。しかし、時代が進む中で断層が生じてしまったのである」とした。

 断層を生んだ理由の1つとしてまず、改革開放後の中国社会について言及。計画経済の束縛から解放されたことでマーケットが突然爆発的に増え「どんな製品でも作れば売れる、不合格な二級品でも売れる」状況になり、「製品の品質という問題が急速に覆い隠されてしまった」と説明した。また「大差ない」という考え方が企業に蔓延し、全員が品質に対する意識を欠く結果になったほか、「富豪は先を見通さず、知識者は良知を失い、社会には最低ラインがなくなり、互いに害し合う社会」になってしまったと論じている。

 そして次に、「文化大革命が、伝統文化を大きく破壊させた」とし、「信仰が失われ、物に対する敬意の心がなくなった。実用主義がはびこり、目先の利益を追求するあまりに道徳の最低ラインが突破された」とした。

 記事は「匠の精神の核は、ひたすら研鑽に励むこと。細かい部分に磨きをかけること。ほんの小さな誤差が大きな差となり、一時の手抜きが最終的に致命的な問題を引き起こす」と説明したうえで、「では、中国はどうなのか」と問いかけて締めくくった。

 「作れば何でも売れる時代」というのは、技術や品質の進歩を遅らせる、場合によっては退化させる可能性も孕んでいる。記事の指摘する改革開放以降の中国社会はまさにこの状況だが、発展の上では必要なプロセスと言えるかもしれない。これまでの歩みよりも、これからどうするか、という点で中国の真価が問われるのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)William Perry /123RF)