日本経営管理教育協会が見る中国 第451回--大森啓司

■トランプ政権が考える中国

 1月20日に誕生したアメリカのドナルド・トランプ政権が、“中国包囲網”を強めている。日本に23日来日した大統領報道官のショーン・スパイサー氏は、南シナ海について「ひとつの国の支配から防衛する」「公海上でのアメリカの国益を守る」と表明した。

 それに対して中国は「南沙諸島の主権は中国」「アメリカが南シナ海の平和と安定を損なわないように言行を慎むことを促す」などと反論する事態になっている。

 本件に限らず、トランプ氏は「一つの中国」の見直し、通貨安の誘導、対中貿易赤字の問題視等をとりあげ、中国に厳しい姿勢を貫いている。

 今回は、これからの中国とアメリカの関係に期待する著者の個人的な想いをまとめてみた。

■「米国ファースト」本意は「世界の中での米国」の誇示では

 米国ファーストで大統領になったトランプ氏である。14の大統領令で最も世界を震わせたのが人種差別対策の7カ国の入国拒否であろう。

 移民大国、アメリカが世界を混乱に招いた大統領令の1つである事は間違いない。日本や中国等のアジア諸国は関係ないと思っている。確かに「人種」については関係ないが、「物」については今後、関税という壁からの入国拒否ならぬ、入国断念がでてくるのではないだろうか?

 現に日本の日清紡ホールディング等自動車関連企業はメキシコでの新工場計画の白紙撤回を余儀なくされている。正に北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで、自動車産業はその対応に追われている。

■全く非公式、日本製品20%,中国製品45%の関税

 マスメディアに批判的なトランプ氏なので、選挙公約として明言したか否かは別にして、日本製品20%、中国製品45%という記事を眼にし、正直驚いた。

 アメリカファーストを掲げ、自国保護という視点では納得がいくが、逆の事態もあると考える。例えば最初の矛先になったメキシコの壁、同国からの輸入には20%の関税をかけると言っていた。自動車だけではなく、食べ物はキウイにも関税がかかる。しかし、米国では、このキウイは米国での様々なイベントには欠かせない食物である。米国のスーパーマーケットから、キウイがなくなったとしたら、米国民はどのように思うのだろうか? アメリカファーストの負の資産として諦めるのだろうか?

 食は文化なりという言葉があるが、納得できない市民も多数存在するのではないだろうか?

 過去の就任大統領と比較して、スピード感には敬意を表する。しかし、どこかで立ち止まって見直しをすることも忘れないでほしい。

 早く世界のランディングポイントを見つけてほしいと願うのは私だけだろうか?(執筆者:日本経営管理教育協会・大森啓司)(写真は日本経営管理教育協会が提供。メキシコ産のキウイ)